介護大手各社が専門性の高い介護職員を確保するために実質的な賃上げに乗り出すと新聞記事になっていました。
介護福祉士の賃金上げ ベネッセ、手当5倍/ニチイ学館、パートにも 中重度者に受け入れ対応:2015年6月7日 日経新聞朝刊
介護業界の大手企業が介護福祉士の資格手当を増額
2015年4月、介護業界の大手企業では介護報酬改定と処遇改善加算の増額に合わせて賃上げが行われたと話題にあがっていました。
これは基本給の話でしたが、今回は介護福祉士の資格手当についてですね。
介護に関する資格の中で唯一の国家資格である介護福祉士。
介護福祉士を取得するには、「介護福祉士養成施設を卒業」もしくは「実務者研修の修了と3年間の実務経験後に国家試験に合格」する必要があり、やや敷居が高いです。
そのぶん介護や福祉についての専門的な知識や能力を持っていることが証明できるんですね。
今回の新聞記事で取り上げられていたのは、介護業界の大手企業であるニチイ学館とベネッセスタイルケアが大幅に介護福祉士の資格手当を増額したことです。
ニチイ学館 | ベネッセスタイルケア | |
---|---|---|
正社員 | 15000円→18000円 | 3000円→15500円 |
パート・アルバイト | 月額1000円 | 1時間20円→100円 |
まず、ベネッセスタイルケアの介護福祉士の資格手当が今まで3000円だったことに驚きました(笑)
それが15500円ですからね、インパクトでかいです。
それにパートとアルバイトの資格手当も上げているのが印象的でした。
なぜ介護福祉士の資格手当を増額するのか
なぜ介護福祉士の資格手当を増額するのかというと、介護福祉士の有資格者がたくさんいると加算が取れる(企業の収入が増える)からです。
例/有料老人ホームの場合
施設の職員のうち介護福祉士が5割超なら入居者1人あたり月3600円程度の報酬が上積みされる。
このため資金に余力のある介護大手は、賃上げをして介護福祉士の資格を持っている専門性の高い人材の囲い込みを急いでいるというわけですね。
まとめ
大手企業が賃上げを行なうことで競争が生まれ、介護業界全体の賃金が上がっていくと良いですね。
それに伴って人材の取り合いと業界再編が進むかもしれません。
サービス業である介護の場合、大規模化しても劇的に効率を上げることは難しいのですが、少しでも現場で働く介護士の待遇改善につながっていったらいいなと思います。
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