イオンが介護事業に参入するとニュースになっていました。
「イオン 介護参入 スーパーに通所施設 20年度に50カ所」2015年7月19日/日経新聞朝刊1面
総合スーパー「イオン」の中にデイサービス施設を作って運営していくようですね。
僕の正直な感想としては、まだまだデイサービスは儲けやすいんだなー。といったところです。
介護事業者の経営実態調査でもデイサービスは10.6%という高い利益率でした。
参考/儲けやすい介護事業は何か「介護事業者の経営実態調査」を見てみる
2015年4月の介護報酬改定でデイサービスの介護報酬は下げられましたが、それでも介護事業に参入するということはまだ利益が出ると判断したということですからね。
参考/介護報酬改定マイナス2.27%の内訳が明らかに!ご利用者さんの重度化対応や在宅介護の充実などがこれからの時代のニーズ
イオンは東京都江戸川区の葛西店で、すでに2013年秋から実験的に定員29人のデイサービスを運営していて、そこが黒字化できたので本格的に参入することになったようです。
イオンの介護事業である「イオンスマイル」とはどんな施設なのか、調べてみました。
イオンの介護事業「イオンスマイル」を調べてみた
特徴を箇条書きにするとこんな感じです。
- リハビリなどを通じた身体機能の維持・強化にほぼ特化したサービスを提供する。
- 効果や安全性が検証されたトレーニングマシーンを導入し、理学療法士らが専用のプログラムを用意して利用者に取り組んでもらう。
- サービス提供時間を午前と午後に分ける。
- 食事や入浴などは手掛けない。
この内容を見ると、介護度の低いかなり軽度な人向けのサービスですね。
上の写真を見てもわかるように、介護保険を利用したフィットネスクラブのようなイメージが近いです。
このサービス内容では、実際に周辺住民の介護ニーズにどれだけ応えられるのかは正直疑問ですね。
デイサービスを利用する人は、長時間預かってくれて食事と入浴をお願いできる施設へのニーズが高いですから。
新聞記事には、「2025年に首都圏で約13万人分の介護施設が不足するとの試算があり、流通大手のイオンが既存の店舗を生かしてその受け皿を目指す。」と書いてありました。
イオンはこの介護事業を2020年度までに50ヶ所設けるようですが、定員30名としても「50店舗×30名=1500名」ですからね。
サービス内容的にも規模的にも大きなインパクトはないかなー。というのが僕の感想です。
イオンも介護をやるのかー。というのはインパクトがありますけどね。
おまけ/デイサービス(通所介護)は異業種からの参入が多い
デイサービスは、開設にあたって他の介護サービスよりも必要な面積が小さく、人員も少なくてすむために異業種からの参入が盛んです。
企業名をあげると、鉄道の「東京急行電鉄」、ドラッグストアの「クリエイトSDホールディングス」、学習塾の「市進ホールディングス」、フィットネスの「セントラルスポーツ」、タクシーの「東京交通」などですね。
それだけリスクが少なくて利益が上げやすいってことなんでしょう。
いい具合に競争が起こってサービスの質が向上すればいいのですが、数だけ増えて利用者のためにならない施設が増えるのは困りものですね。
コメント