政府は、少子高齢化によって増加し続けている社会保障費を抑制するために、病院のベッド数を削減していく目標をまとめたことが新聞記事になっていました。
また、元気な高齢者を公的な介護サービスの担い手として考えていくことも書かれていました。
「病院ベッド削減、介護職員の確保が課題 社保推進会議」/2015年8月4日の日経新聞朝刊
社会保障費削減のために病院のベッドを減らすと介護負担が増える
新聞記事の概要は以下のような感じです。
政府は3日、社会保障制度改革推進会議(議長・清家篤慶応義塾長)を開いて、病院ベッド(病床)の削減に向けた課題を議論した。
入院患者が病院から自宅に戻っても家族の負担が増えすぎないよう、元気な高齢者にも担い手になってもらって介護職員を十分に確保する必要があるとの指摘が相次いだ。
まず、日本の社会保障費は2014年度で115.2兆円となっています。(国の負担(税金)が31.1兆円)
そのうちの医療費を削減するために病院のベッドを減らそうということですね。
入院患者を看るにはかなりのお金がかかりますので、病院のベッド数を減らすことはかなり医療費の削減になります。
しかし、そのベッドで生活していた人はどこへ行くのかというと、ほとんどが「自宅」か「介護施設」です。
どちらにせよ介護サービスを利用することになるわけですが、もともと介護職員は足りていません。
厚生労働省は、このままでは10年後の2025年には介護職員が37.7万人不足すると推計しています。
参考/介護の人手不足の原因と「介護職員確保へ数値目標」に加えてほしい『リーダーの育成』
参考/「介護施設13万人分不足 41地域へ移住提言」地方都市移住政策の問題点は何か
それを補うために元気な高齢者に頑張ってもらおうということですね。
簡単に流れをまとめるとこんな感じです。
少子高齢化で社会保障費の財源が足りないよ
↓
社会保障費の中の医療費を削減するために病院のベッド数を削減しよう
↓
ベッド数を削減すると介護の負担が増えるよ
でもそっちの方が断然安がりだよ
↓
もともと介護士は人手不足なんだけど
↓
じゃあ元気な高齢者に頑張ってもらおう
ということですね。
元気な高齢者が働くってのは、良いですね。
僕が働いている特養でも60歳前後の職員さんが元気に働いています。
最近では、60歳前後を高齢者とは言わないかもしれませんが…。
実は向いてるかも、高齢者が介護の仕事をすること
僕がこの新聞記事の「元気な高齢者にも担い手になってもらって介護職員を十分に確保する」という部分を読んで最初に感じたことは、
何ふざけたこと言ってんだ。
でした(笑)
僕がしている仕事を高齢者が出来るわけがないと考えたんですよね。
でも、デイサービスの送迎をしているドライバーさんなどは、割と年輩の方も多いよなー。と思ったんですよ。
しかも、ご利用者さんからはウケがいい人が多い!
その理由として、世代が近いってのがあります。
世代が近いってことは共通の話題があるし、考え方や感じ方が似ている部分もあったりします。
自分の孫のような年代である20代30代に介護されるよりも気持ちよくサービスを受けられるのかもしれませんね。
まとめ
業種は限られてしまうかもしれませんが、高齢者が介護職員として頑張るのは良いアイデアかもしれないと思いました。
単純に会話ひとつにしても、高齢者にしかできない、ご利用者さんが心から喜ぶようなケアが出来る可能性がありますよね。
そこからさらに考えを進めると、10年後の2025年に介護士が37.7万人不足するという試算についてもちょっと微妙だなと思います。
ひとくちに介護士といっても、行う仕事は様々ですからね。
ざっくりとした数字なんだなと認識しました。
せめて訪問介護で何万人、デイサービスで何万人、特養で何万人足りないですよって示してくれればかなりリアルな数字になってくると思います。
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