介護事業のIT化は、介護職員の負担軽減にはなっても給料は上がらない

最新技術
介護事業に大手企業が参入し、IT(情報技術)対応や運営の効率化が進むのではないかと新聞記事になっていました。

介護にIT、参入組が新風 損保ジャパンはセンサー導入/2016年2月2日 日経新聞朝刊

介護のIT化が進んで介護職員の仕事が楽になったらうれしいですが、それによって給料が上がることは難しいと僕は考えます。

なぜ大手企業が介護事業に参入するのか

損保ジャパン日本興亜ホールディングス(HD)が、2015年12月にワタミの介護株式会社を買収(SOMPOケアネクストに社名変更)、さらに2016年3月に介護事業大手のメッセージを子会社化して介護業界第2位となります。(ちなみに業界第1位はニチイ学館です。)

【介護業界大手の売上高を並べた表がある記事↓】

2015年4月から介護報酬が改定されることに伴って、介護業界の大手企業が相次いで賃上げを行なうと新聞の1面トップ記事になっていました。 ...
介護事業は、損保ジャパン日本興亜HD以外にも大手資本の参入や事業拡大が進んでいます。

損保ジャパン日本興亜HD2016年3月には介護大手のメッセージを買収。施設から在宅介護までを担う。
イオン総合スーパーの店舗内にデイサービスを設置。2020年までに50ヶ所に拡大。
パナソニックデイサービスなど在宅中心。在宅介護の拠点を2019年3月期までに200拠点に拡大。
ソニーフィナンシャルHD有料老人ホームに睡眠の質を向上させるケアを導入。
ベネッセHD有料老人ホームを約280施設運営。特定地域内に集中した店舗展開を行うドミナント戦略を進める。

介護事業は対人援助のサービス業なので、ノウハウの構築やサービス水準の安定化が難しいことが参入障壁となっていました。
しかし、2000年に介護保険制度が始まり10数年が経過して、介護業界内での経験値や情報が蓄積されてきたことが大手企業の介護業界への参入につながっています。

高齢化が進む日本では、今後約20年間は高齢者の数が増加し続けます。
その一方で、少子化が進み日本全体の人口は減少し続けることが確実な状況です。
世代別人口動態

そのような状況のなかで、顧客が確実に増える介護事業は、確実に利益を上げられる可能性が高いといえます。
だから、他業種の大手企業がこぞって介護事業に参入してくるわけですね。

IT化が進んでも大きな利益を上げられないのが介護事業

日本国内の介護事業の多くは、中小企業や社会福祉法人が運営しているのが現状です。
だから資本が少なく、IT化が進まない現状がありました。

そこに資金力のある大手企業が参入してきているわけですから、これから介護のIT化が大きく進むかもしれませんね。
大手企業でうまくいったやり方が、他の小さな介護事業者にもいきわたり、介護業界にとっても良い流れになることを期待したいです。

新聞記事では、IT化の具体例があげられており

SOMPOケアネクストは老人ホーム施設の高度化を進める。
居室内に見守りセンサーなどICT(情報通信技術)を導入する方針で、入居者の体調変化などを把握しやすくする。
転倒事故などの防止に加え職員の見回り業務の軽減などにもつながると見る。

とのこと。
ちょっとプライバシーの問題は気になりますが、業務改善につながると良いですね。

【参考】「高齢者、スマホで見守り」で認知症高齢者の徘徊を素早く捜索。ちょっと気になる尊厳の保持

さて、介護の仕事が業務改善されたとして、気になるのがお給料。
業務改善された分、利益が上がればそれも可能でしょうが、介護事業における経費のほとんどが人件費です。

介護事業において、大幅に人件費を削減できるようなイノベーションが起きることは、僕には想像できません。
例えば、今まで4人の職員で20人のご利用者さんを見ていたのが、3人の職員で見れるようにはならないでしょう。

人と人とが関わる仕事が大部分を占めているのが介護の仕事なので、業務改善によって急激に利益が上がり介護職員の給料が上がるような状態には、まずならないんですよね。

介護事業における大手企業のメリット

とはいえ、大きな資本を持った企業が介護事業を行なうことは、やはりメリットがあります。

有料老人ホームなどの場合、幅広い価格帯の介護施設を持つことによってご利用者さんに最適な施設を提案することが出来ます。
それによって入居率も上がるでしょう。

また、たくさんの施設を持っていれば人材を回せるため、より安定感のある経営が可能です。
職員募集の点でも有利ですよね。

僕が勤務している特養は社会福祉法人が運営しており、運営している施設は特養1つだけです。
ですので、もし今の職場から一気に5人の介護職員が抜けたら、たちまち経営が成り立たなくなってしまいます。

介護人材が大幅に不足している状況で、安定した経営ができるメリットは大きいですね。

まとめ

こういった大手企業の取り組みは大きく報道されやすいですが、ほとんどの介護事業者は中小企業です。
介護職員の負担軽減になるような技術革新が、全体に広がるにはまだまだ時間がかかりそうですね。

結局のところ、介護事業の収益は介護報酬で決まります。
残念ながら介護業界のIT化が進んだとしても、介護の平均賃金が上がることはなさそうです。

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この記事を書いた人
ヒデ(@marukaigo)
30代、男性
ユニット型特養で働いてる介護福祉士
介護業界6年目、ユニットリーダーやってます
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