社会的孤立が健康に悪影響を及ぼす「孤独な高齢者は認知症リスクが高い」

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年を取ると身体能力や気力の低下などで外出する機会が減り、意識していないと人と関わることがどんどん少なくなってしまいます。
お年寄りは、一緒に暮らしている人以外との交流が多い人と少ない人では、健康に大きな差が出るとの調査結果が新聞記事になっていました。

孤独な高齢者、認知症リスク 交流少ないほど発症率上昇」2015年5月26日 日経新聞朝刊

同居人以外との交流が少ないほど健康リスク発症の確率が高まる

同居人以外との交流が週1回未満のお年寄りは、要介護や認知症になるリスクが、毎日頻繁に交流している人より約1.4倍高いことが日本福祉大や千葉大などの研究チームの調査でわかった。
研究チームは「社会的孤立が健康に影響を及ぼすことをお年寄りに知ってほしい。」と呼びかけている。

ということで、同居人以外の人と毎日頻繁に交流している人を基準にすると、あまり交流していない人は病気になりやすいよってことですね。

↓表にするとこんな感じ。

他者との交流頻度 要介護度2以上になるリスク 認知症発症リスク 早期に死亡するリスク
毎日頻繁 1.0倍 1.0倍 1.0倍
月1回~週1回未満 1.4倍 1.39倍 1.15倍
月1回未満 1.37倍 1.45倍 1.34倍

あたりまえっちゃあたりまえの結果ではあるんですがね。
人と交流を持つには外出も多くなるだろうし、人と交流すれば心も体も自然と活性化されるでしょう。

高齢者の社会的孤立とは

家族や地域社会との関係が希薄で、他者との接触がほとんどない状態。

これを社会的孤立と言います。

核家族化や都市化が進んで地域の交流が少なくなっていった結果、社会的に孤立してしまった高齢者は増加しています。
それによって今回の新聞記事のような健康への悪影響だけでなく、悪徳商法の被害や高齢者による犯罪、孤独死などの社会問題も起こっています。

まとめ

高齢者に限ったことではありませんが、人と関わりがあるような生活は健康への第一歩です。
特に高齢者は、どうしても行動範囲が狭まってしまいますし、生活の不活性が健康に影響を及ぼしやすいです。
デイサービスやホームヘルパーなどの介護サービスを利用しながら活動量を維持していくのも良いですが、年をとっても自分の好きなことをして生活にメリハリをつけていってほしいですよね。

高齢者になってから新しく趣味などを始めるのはハードルが高いです。
日々の仕事も忙しいかもしれませんが、若いうちから活動的な余暇を過ごすことが将来の健康につながっていくのではないでしょうか。

また、介護士としては食事や排泄などの基本的な介助の中にも声掛けを大切にして、少しでも心の交流が持てたらなぁと思います。

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