8月13日(水)のwebニュースで「特養職員は「徘徊」に苦労-全国老施協が調査」という記事が目に入りました。
認知症の人が「徘徊」して行方不明になったり事故を起こしたりして、たびたび大きなニュースになっていますね。
でもそれはほとんど在宅で介護されている人のお話です。
僕はこのニュースに書いてある特別養護老人ホーム(特養)という施設で働いているので、特養の職員が本当に「徘徊」に苦労しているのかを書きたいと思います。
介護士が苦労すること
介護士が苦労することは、一言でいうと「時間がかかること」です。
食事、排泄、入浴の主な介護に加えて掃除や洗濯など様々な雑務があり、常に時間に追われていることが多いのが介護の仕事です。
一般の人が「特養職員は「徘徊」に苦労」という記事を読んでその現場をイメージしたら、その忙しい中に「徘徊」するご利用者さんがいたらそりゃ大変だろうなと感じてくれるのではないでしょうか。
特養で認知症のご利用者さんが徘徊すると何が起こるのか
でも、実際のところ「徘徊」にはそれほど苦労はしません。
「特養で認知症のご利用者さんが徘徊すると何が起こるのか」というと
『何も起こらない』
というのが正解です。
施設内である程度の閉鎖が出来るので、ご利用者さんが行方不明になってしまう可能性は限りなくゼロに近いです。
だから、徘徊する人は「放置」といったら言葉が悪いですが特に何もしません。
時々声を掛けたりしますが、基本的にはその人がやりたいように自由に過ごしてもらいます。
ただし、転倒のリスクが高い人や他者に迷惑をかける可能性のある人には注意をしています。
徘徊という言葉
なぜ徘徊するのか、理由は人それぞれですが、施設のご利用者さんの場合「帰宅願望」がほとんどですね。
うちに帰りたいから帰り道を探して歩いてるだけです。
「徘徊」って言葉があまり好きじゃないんですよね。
目的があって歩いてるのにさ。
はたから見たら、うろうろ歩いているだけに見えるのかもしれないけど、本人的にはちゃんと意志を持って歩いているのにね。
何かしらの事情があって施設にいるし、「徘徊」する人は「うちに帰れない」ことを理解していただけないことほとんど。
それを邪魔する必要はないし、自由にしてもらいます。
まとめ
ということで、認知症による「徘徊」に対して僕は何もしないので特に苦労はしていないというお話でした。
帰宅願望のご利用者さんがご自宅でどんな行動をとるのかわかりませんが、おうちで施設にいる時と同じような行動を取るのだとしたら恐ろしいですね。
施設のように行動範囲を制限するのは難しいでしょうからね。
在宅で認知症の方を介護をされている人の苦労は計り知れません。
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