介護士にとってストレスになりやすいのが、介護に拒否がある利用者さんの対応ですね。
特に入浴は生活習慣やしゅうち心に大きく関わるためどうしても介護拒否をされる方が多くなってしまいます。
僕も
と、ゆううつな気持ちで出勤したことが何度もありましたし、これからもあるでしょう(笑)
逆に、そういったケアをするのが難しい利用者さんを上手に介助できた時はメッチャ嬉しいですよね。
まさにプロの技と言えるのではないでしょうか。
どうやったら入浴したがらない利用者さんを上手に介助できるのか。
その方法を考えていきましょう。
なぜ入浴したがらないのか理由を探ろう
やらなきゃいけない業務に追われていると、いつの間にか考えるのをやめちゃってることはよくあります。
困ったら、まずはアセスメント。
なぜ入浴したがらないのかを考えて、理由に合わせた対応方法を見つけていきましょう。
複合的な理由で風呂に行きたがらないパターンも多いです。
ありがちな理由をあげてみました。
理由1:認知症で入浴を理解できない
認知症が原因による拒否は、一番多いかもしれません。
よくわからないからお風呂に行きたくない。
着替えができないし、恥をかきたくない。
知らない人から誘われても恐怖しかない。
認知能力がどれくらいあるのかにもよりますが、本当の理由を探る必要がありますね。
理由2:体調が悪い
年を重ねるほど調子が良くない日が増えるのは、僕も年々実感しております(笑)
だるい、眠いなどの体調がすぐれない時にお風呂なんて行きたくないですよね。
また、実際に体調に問題がなくても認知症などによって「自分は調子が悪いんじゃないか」と思い込んでしまっているパターンもあります。
理由3:もともと風呂がキライ
いちばん対応が難しいのがコレかもしれません。
もともと入浴が嫌いな人は、そう簡単に入ってくれません。
これはさらに踏み込んで、なぜ風呂がキライなのかを理解する必要があります。
着替えがめんどくさい、洗うのがめんどくさい、暑いのがイヤ、上がったあと寒いのがイヤ、疲れるのがイヤ、周りに人がいるのがイヤ。などなど、いろいろ考えられますね。
理由4:声を掛けた職員がキライ
男性だから、女性だからっていうのもあるだろうし、顔がキライ、性格がキライなどなど。
どんな人でも好みはありますが、「キライ」までいってしまうのは介護士としてちょっといただけないですよね。
入浴介助のコツ
いろいろなやり方があると思いますが、ここでは僕の必勝パターンを紹介します。
信頼してもらう
僕は介護の仕事全般において、まず信頼してもらうことを最優先で考えています。
信頼関係が築ければ全てのケアがうまくいく。
特に認知症の利用者さんは大事ですね。
明るいあいさつ、ていねいな介助、清潔感のある服装、やさしい声掛けなどを積み重ねて少しずつ信頼を得るように心掛けています。
介護技術も利用者さんからの信頼を得るために必要ですね。
はじめましての利用者さんに入浴を拒否されるのはある意味当然じゃないですか。
っていうのが基本的な考えです。
どんな声掛けをするかじゃなくて、それまでにどれだけ信頼を得られているかが大切なんです。
理想が↓こちらのプリンさんです。
なんで拒否されないのかと言われてもよくわからんけど、なぜか私には入浴もレシカルも拒否しない。
— プリン (@avdvsr) 2018年7月13日
だと思います。人として好きだと頼みを断りにくくなるから
— プリン (@avdvsr) 2018年7月15日
実際に声を掛けている現場を見たわけではありませんが、利用者さんとの信頼関係ができていたのだと思います。
これこそが本当の介護技術。
ただの相性でしょ。って言っている介護士さんはなかなか成長できないかもしれません。
↓青い鳥さんも同様に信頼関係が大切だと仰っています。
入浴拒否される方への声かけはいろいろあります。
うちのデイにも認知の方で入浴拒否の方がいます。
私はそのような方との信頼関係がまず大切だと思っています。日頃からいろんな声かけをして、話して笑って安心していただく。その過程があって、入浴の誘導をする際は「一緒に〇〇見にいきませんか?→— 青いトリ (@goninpon) 2018年7月10日
などの声かけをしています。一緒に脱衣室に行き、「あら?お風呂なの?」と聞かれたら「今ちょうどよい湯加減なのですがよかったら入られますか?」と声かけをすると納得されて脱いでくだされます。「お風呂です」と声かけするとスイッチが入ったかのように拒否モードになるので。
— 青いトリ (@goninpon) 2018年7月10日
同感ですね。
“日頃からいろんな声かけをして、話して笑って安心していただく。”
ココが大切で、入浴を拒否されることだけに注目するのではなく、その前までの過程が大事なんですよね。
タイミングをはかり、無理強いはしない
僕は人間関係を重視しているので、基本的には無理強いはしません。
不機嫌そうだったり眠そうだったら時間を開けて声を掛けます。
とはいえ、入浴させないのは介護(職務)放棄で、ひどい場合は虐待と取られてしまう可能性もあります。
一言付け加えますが、嘘をついて風呂にいれるのは、厚労省が定めている11の虐待には当てはまらないので、制度上は虐待でない。
利用者がいやがるから、風呂に1ヶ月いれませんでしたというは、週二回の入浴を満たしていないので運営基準違反ですし、介護放棄の虐待です。つづく
— 高頭晃紀(介護専用) (@akinori_takato) 2018年7月11日
ですから、風呂にいれる際に、嘘をつくのは、道義上許されるかという問題です
— 高頭晃紀(介護専用) (@akinori_takato) 2018年7月11日
多少強引にいった方がうまくいく利用者さんには、パーッと浴室まで連れていってしまうこともよくあります。
ほんと個別性が大事ですよね。
良い声のかけ方をご紹介
もともと、この記事を書こうと思ったきっかけがツイッターで入浴の上手な声のかけ方を見たからでした。
リプにプロの介護士さんたちが上手な入浴の誘い方をいろいろ書いてくれててメッチャ参考になりますね(・∀・) https://t.co/OaRYQFhMCU
— 丸顔介護士ヒデ (@marukaigo) 2018年7月11日
入浴拒否される理由に合わせた声掛けのレパートリーをいくつもっているかで介助の幅が広がり、成功確率も上がります。
上手なやり方をご紹介しますので、参考にしていきましょう。
権威を大切にする利用者さんは多い
生きてきた時代がそうだったのか、権威を大切にされる利用者さんはとっても多いですね。
昔、入浴拒否なんて言葉じゃ済まないくらい入浴を拒否する人がいて、その人に「内閣官房長官から気持ちよく入浴して下さいねと電話がありましたよ」と言うとスッと入浴してくれた事がある。その時の感情にたまたまその言葉がマッチしたんだろうけど、介護現場では突き抜けたジョークが使える場面がある
— ハレくん (@harekunoku) 2018年7月13日
同じようなことしたことあります
介護費用は税金で賄われてる→介護保険、税金の最高責任者は総理大臣→総理大臣がお風呂入って下さいと通達してきた
という流れで納得して入ってもらえたことがありました— ひざぽき (@hizapoki) 2018年7月13日
自分は天皇陛下から
戦争とか日本復興頑張って来たから
色々とお世話するようにって
言われてるんですよ〜と言ってましたね
90辺りの人だと
割と受け入れありましたね— Mihina_四十路突入〜〜 (@Mihina0109) 2018年7月13日
確かに、私も、『今日は美智子妃殿下がお見えになるから、お風呂に入って清めましょうか?』といたら、車イスを自操して風呂場まっしぐら。
— おちよ (@bCQdasFPNPwk6Jq) 2018年7月14日
医療職の権威も強いですよね。
医師や看護師からの言葉なら素直に受け入れる利用者さんも多いです。
入浴拒否の人に対して、ドンキで買った白衣に名札を付けて、おもちゃの聴診器まで買って対応した事があります。その作戦も段々と効かなくなり…最終的には私はその利用者さんと一緒に入浴しました♨︎
— ゆうこりん (@chocomint0702) 2018年7月13日
「ご家族に頼まれてる」っていうのが定番ですが、その上位文句として「お医者さんの指示なんです」って言って看護師を呼ぶとだいたい入ってくれますねぇ
— 首領ぐり@省エネ (@donguri4869) 2018年7月14日
利用者さんの生活歴をいかす
認知症の利用者さんに特に有効な方法ですね。
上手くはまると驚くほどスムーズにいくことがあります。
人の役に立ちたい気持ちは誰にでもあります。
でも、年を取るほど活躍できる場面はへっていきますからね。
若い頃、美容師さんだった利用者さんがいて…
明日、美容師の洗髪の試験があるので、よかったらモデルになって、ご指導してもらえませんか?って、お風呂場に連れて行く…
髪を洗うのが成功したら、そのまま洗身。この人には、これが一番の方法でした。— ゆず塩 (@yuzuobachan) 2018年7月13日
情報収集の大切さがわかる良い事例ですね。
本人やご家族からの情報が思わぬところで役に立つことがあります。
利用者さんの気持ちをとことん考える
本人の性格を良い意味で利用する方法です。
泣き落としパターンも良いですね(・∀・)
私
娘さん、息子さん
から頼まれたから
入ってくれないと怒られちゃいますとか
言ってみたりします( *´艸`)— しろ (@mashiro_ro_) 2018年7月13日
お風呂に入ってもらわないと私はお給料が貰えないのです。
今日はまだお風呂に入れてないので困ってます。
お願い、私を助けてくれませんか?と言ってお風呂に入れた事あります(笑)
家族さんからグッジョブされました(笑)— あんこ (@ancyan1234) 2018年7月14日
↓本人の責任感を頼りにしたり
私の母は
「もー!!○○さん!今日予約取ってたでしょう!!」
と付箋に名前と時間を書いた紙を見せて入らせたりするそうです!
まさかの方法で入って下さったりしますよね!笑— 瀬々斧のし@固定企画 (@seseo_noshi) 2018年7月15日
↓役割りをお願いしたり
うちは、1人だけですが
お風呂掃除一緒にお願いできません?ほんとにすいません!!ってお風呂掃除ついでに入浴されてる方がいます(*´Д`*)— みーこ (@mimimi_channnn) 2018年7月11日
あえてきついことを言うのも時には効果的。
マジな説得で利用者さんが介護士を信頼することがありますよね。
あたしもほんまは言うたらあかんねんやろうけど、入浴拒否が酷い利用者さんに
「いつ棺桶入るか分からんのに、汚いまんまにしとくの?」
って言うてしまったことがw
すんなり納得してくれて助かった💦— 鹿野千絵(かのちえ)🍀@毒吐き介護福祉士 (@shikano_chie) 2018年7月14日
私はもう死ぬから風呂なんてはいらん!!!と強い入浴拒否の方に、
綺麗な姿で死にましょう。葬式でみんなに見られますよ!!と言ってはいけないかもしれないブラックな返しをしたことがあります。入浴してくださいました。— グリコ (@guguguriko_sayu) 2018年7月14日
「一緒に」は、安心感を与えますね。
FF外から失礼します。
介護士では無いけど、デイに勤務中に毎回入浴拒否する男性利用者さんがいて介護士さんが困っていたので、私が満面の笑みで、一緒に入りましょ!って言って誘導して入浴。私は服着たままで介助ですが一緒に入ったことに変わりないです(^^)
一歩間違えたらセクハラですが苦笑— キラ22 (@flrmUaJeeIE8jJ7) 2018年7月15日
自分語り失礼します。
家族だった人には、「一緒に入ろう〜」とお誘いする形が何度も成功した声掛けだった
介護に抵抗(遠慮)があるだけで、お風呂は嫌いじゃなかった— (FU)真者 (@hokotte) 2018年7月14日
周りを気にする利用者さんには配慮が必要ですね。
ほかの利用者のいる前ではちょっとええかねー?って呼び寄せてから本人だけに入浴の旨を伝えたり極楽に行こうーって言ったりしてますねー
人に聞こえると拒否する方も多くいますし(*´ω`*)— うるがる (@kinchan02) 2018年7月11日
どの方法も利用者さんの性格をよく理解しようとして色々試した結果たどり着いたんでしょうね。
場面が目に浮かびます。
利用者さんを理解しようとする気持ちが大切なんだなーと思いますね。
冗談で気分をのせる
ワイはニューヨークへ行きましょうと言うで、あとで風呂は嫌だと言われてもニューヨーク(入浴)だと言えば大体笑うから
— ミスターunk@ザ☆チン子 (@Tsumayoujisan) 2018年7月10日
笑ってくれた時点で勝ち。みたいなところはありますね。
その段階である程度こころを許してくれていると判断していいでしょう。
さりげなく浴室まで誘導する
浴室まで誘導するのが難しいって利用者さんもいらっしゃいますね。
母は放っておくと1,2ヶ月は入らなくて、私が素知らぬふりで浴場の前まで歩き、母がついてきたら、がしっと捕まえて脱衣場へ引っ張り込んで何をわめかれようと無理矢理脱がせて風呂に入れてます。。。。。
悪いことしてるわけじゃないのに責められて。。。。。(泣)— のんのん (@love_honey1002) 2018年7月14日
体重はかるって口実もいいですね。
体重図るのでからの、脱衣所でちょちょちょちょ…(*´³`*)
家人さんに頼まれてます…
看護師さんが入浴してくださいと…
三種の神器。逆に、クリアな人の介護拒否の方が難しい(´・ω・`;)
説得しかない…— asahi (@shiawasenobasyo) 2018年7月14日
僕がかかわった利用者さんでも「散歩に行きましょ」で誘導して、浴室に入っちゃえばすんなり入ってくれる方がいらっしゃいました。
入浴の環境を魅力的にする
ひと工夫で利用者さんの入浴への意欲がアップするかもしれないですね。
自分も朝ごはん食べて直ぐに
「お風呂入りますよ」って
誘われたら拒否るかな…でも…温泉大好き日本人
『温泉街』や
『スパリゾート』的な
演出や造作
アミューズメント感があると
嬉しいかも✧*。介護士の『対応努力』にばかり頼らず
施設側の『設備投資努力』も欲しいところ…#入浴拒否 pic.twitter.com/0mARhyQyHF— ひのまる (@hinomaruriki) 2018年7月12日
入浴剤や、ゆず湯、しょうぶ湯などの季節を感じられるものは、利用者さんの反応が良いですよね。
代替案を提案する
また、本当に嫌がられる方にはお着替えや清拭,下半身だけ,足だけと案を出さして頂いて、少しでも清潔を保ちつつご本人の意思に沿うようにしてます。
— しゅーこ (@love_nest87) 2018年7月10日
足だけ、手だけ、着替えだけから実際の入浴につながることもありますし、そうならなくても清潔の保持の目的は達成できますね。
こちら↓は合わせ技。
すごいテクニックですね。
特養時代に「せめて足湯だけでもしませんか。」と利用者を浴室に誘いだし、お湯をぱちゃぱちゃかけながら、わざとズボンにお湯をかけて、「すいません、濡らしてしまいました。」と平謝りしながら服を脱がせて、結局入浴させているベテラン職員を目撃したことがある。感心したね。
— 🐺介護犬マサル🐶 (@4fETVXwKhTFiGbA) 2018年7月10日
いやー、どの方法も素晴らしい。
イイと思ったのはドンドンまねしていこう
良い方法の見つけ方
利用者さんも介護士もいろんな人がいます。
想像力を働かせて、いろんな方法を試しながら合う方法を見つけていくしかないですよね。
こんにちは(*´∀`)
そうですよね。嘘でもなんでもまずどうすれば利用者さんに安心してもらえるか、なんですよね。
その辺のアプローチって本当に難しいですし、トライアンドエラーの繰り返しだったりします。— さかいしチエ (@chienowakaigo) 2018年7月11日
日々、試行錯誤ですよね。私もできるかぎり利用者に悪い感情が残らないように声掛けしてます。それでもダメな時はどうやったってダメだし、逆に『よし!今日の声掛けうまくポイントおさえたな』って例もありますもんね(^^;;
— 螢 (@bebe___o94o) 2018年7月11日
その日その日なんですけどね(^^;)
でも何度かやっていくうちにうまくいくコツが掴めてきますね。百発百中ではありませんが。— さかいしチエ (@chienowakaigo) 2018年7月11日
“利用者さんに悪い感情が残らないように”っていうのは僕も意識しています。
生活はずーっと続いていくので、この1回だけうまくいってもダメなんですよね。
大事なのは自分なりの必勝法を身に付けること
僕は、強引に連れていったり冗談を言って笑わせて気分をのせたりするのが苦手です。
逆に、優しく声を掛けたり安心感を持ってもらったりする方が得意なので、まずはその方法を試すようにしています。
大切なのは利用者さんのリアクションを見ながら色んなパターンを試して、良いやり方を見つけていくことだと思います。
どんどんチャレンジして利用者さんにとって良いやり方、自分にとって良いやり方を見つけていきましょう。
僕もこのツイートを見て試してみようかなって思ったやり方がいくつもありました。
上手くいくかなんて、実際にやってみないと分からないですからね。
自分の中のレパートリーを増やすこと、そして自分なりの必勝法を身に付けることが介護士のプロフェッショナルへの道なのかなーと思います。
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