介護記録の専門用語は読む人を基準に考えて、やさしく言いかえよう!

介護の記録では、介護業界での独特な良い方や医療用語など一般の人には理解しにくい言葉が出てきます。
僕自身も介護の仕事を始めたばかりの頃は、難解な言葉の意味が分からず苦労した記憶がありますね。

丸顔ヒデ
特に医療用語が苦手…。

やさしく言いかえよう 介護のことば』という本では、介護関連の専門用語を分かりやすく言いかえることを提案しています。

この本を読んで、
より良い記録を書くためには、読む人のことを考えて言葉を選ぶことが大切だと再確認しました。

やさしく言いかえたほうが良い言葉と、そのまま使いたい言葉をいくつか例をあげてご紹介します。

本の紹介「やさしく言いかえよう 介護のことば」

まず、簡単に本の紹介です。

【目次】
1.介護用語編
2.医療看護用語編
3.外来語編
4.付録(敬語・省略語)
【内容紹介】
海外から日本で介護福祉士として働くために来日した志願者達が、難しい言葉の壁に突き当たっていることを懸念した著者達が3年にわたって調査研究し、作成された本です。
介護記録や介護福祉士養成テキスト、国家試験問題の中から、わかりにくい用語、約130語を抽出。「わかりにくいことば→わかりやすいことば」として言いかえ語を提案、丁寧な「解説」と言いかえ文の「例」を紹介しています。
家庭でも介護施設等でも活用できる待望の書!

「解説」と「例」があって、言いかえたほうが良い理由がわかりやすかったですね。
例として書かれていた記録も実際の介護記録にありそうな文章で、読みやすい本でした。

ポイントは「記録を読む人のことを考えてことばを選ぶ」こと

○と×を持つ人
ただ、この本が書かれたきっかけ、前提がちょっと微妙だと感じました。
「難しい専門用語をもっと分かりやすく、外国人にもすぐ分かるような言葉で」というのは、実情に合っていないです。

言葉は、何でもかんでも簡単に言い換えれば良いわけではないですよね。
簡単に言い換えることで、言葉が長くなり状況が伝わりにくくなってしまうという弊害もあります。
その点から考えると、外国人にもすぐわかる言葉というのはデメリットのほうが大きくなってしまうと思います。

介護のことば(記録)は、主に2つの場面で使われます。
1つ目は「介護現場の中での情報共有」、2つ目は「介護現場とご家族との情報共有」です。

「介護現場の中での情報共有」では、ある程度は専門用語を使用して記録を書くことが望ましいですね。
なるべく端的に事実を伝えることが重要になってきます。

「介護現場とご家族との情報共有」では、ご家族にも理解できる言葉を使わなければいけません。
介護現場だけで意味が分かる略語や、難しい医学用語は使わないほうが良いですね。

ただし、高齢化が進んで介護が日本人の身近なことになっている現状では、介護に関する言葉も世間ではどんどん使われ始めています。
その意味で、ご家族にも勉強してもらうという考えから、専門用語を使用していくことはアリだと思います。
もちろんフォローは必要ですけどね。

つまり、記録の種類に応じて、記録を読む人のことを考えてことばを選ぶことが記録を書く人のスキルとして求められます。

ということで、いくつかの項目に分けて、介護記録のわかりにくい言葉をどう書いたらいいのか、本の中からピックアップしてご紹介します。

略語

略語は、「介護現場の中での情報共有」ではアリで、「介護現場とご家族との情報共有」ではナシですね。
略語はご家族が読んですぐに意味が分からない言葉ばかりですので、きちんと省略せずに書いたほうが良いでしょう。

入禁→入浴取りやめ、入浴中止、入浴なし

僕が勤務する施設では「入禁」は使っていないのですが、は「入浴禁止」の略語ですね。
施設によっては「入室禁止」を意味することもあるようです。
「禁止」という言葉には強い響きがあるので、「中止」「なし」などの言葉のほうが良いでしょう。

体交、体変→寝返り介助、体の向きを変えること

うちの施設では「体交」を使っている人が多いのですが、僕は使ってません。

「体交」は「体位交換」の、「体変」は「体位変換」の略語です。
体位を交換する(取り換える)というのは日本語的にちょっとおかしいので、変換のほうが適しています。
で、「体変」だと「大変」と紛らわしいですよね。

なので僕は「体位変換」を使っています。
本が勧めていた「寝返り介助」などは、わかりにくく長いのでちょっと違うと感じました。

特変なし→かわりなし

「特変なく過ごされる」とかで使いますかね。
「特変」は「特別な変化」の略語ですが、一般の人にはなじみのない言葉だと思います。

略さずに「特にお変わりありませんでした」などで良いですね。

アルファベットや記号

「Ns」「KT(BT)=37.8°」「排便(+)」などのアルファベットや記号もよく出てきますね。
これもご家族が読んですぐに意味が分からないので、ご家族が読む記録には適さないですね。
その場合は「看護師」「体温=37.8°」「排便あり」と書いたほうが良いですね。

介護用語

介護用語は、用語によってはそのまま使いたいですね。
これから一般的になっていく用語がどんどん増えていくと思います。

座位→座った姿勢

これはそのまま「座位」で良い気がします。
漢字と文脈から意味がわかるはず。

同様に「立位」「(側、仰)臥位」などもそのまま使いたい言葉ですね。

開口、開口する→口開け、口を開ける

僕もなんとなく気分的によくないなと思いながら使っていた「開口」。
感覚的に気持ちが悪いのは、人間扱いしていないような感じがあるからですかねえ。
この「なんとなく気分がよくない」って感覚は大事にしたいですね。

食事の記録で「開口よく…。」などと書いていましたが、「口の開きがよく」などに変えようと思います。

施行(しこう)する→する、行う

「施行する」も僕は使っちゃってたし、記録でもよく見かけますね。
「クーリング施行」「座薬施行」など。

「施行」は法令などで使われる言葉なので、使い方が間違っています。
「する」とか「行う」などで簡単に置き換えられますので、これからはそうしようと思います。
「施行」とか記録に書くとなんだかカッコいい気がしてしまいますけどね。ただの間違いですので気をつけましょう。

医療看護用語

医療看護用語は、一般の人になじみがないものも多く、介護職員にとっても難しい言葉があります。
僕もいまだによく調べます。

一般的な言い方に置きかえられるものは置き換えたいですね。

頸部→首

身体の部分については、わかりやすい表現で置き換えちゃったほうが良いと僕は思います。
「頸部→首」の他にも「腋窩→脇の下」「心窩部→みぞおち」などが本で紹介されていました。

誤嚥する→食べ物が気管に入ってしまう

本では上記のように書いてありましたが、「誤嚥」は「誤嚥」のまま理解してほしい言葉ですね。
誤嚥性肺炎という病気もあるように、誤嚥は介護をするうえで知っておいてほしい言葉だからです。

外来語

外来語は、出来るだけそのまま使用したい言葉ですね。
無理やり日本語に直すことで、本来の意味から遠ざかってしまうことがあるからです。

【おまけ】介護記録で間違えやすい言葉

×介護師→○介護士
×看護士→○看護師
×ベット→○ベッド

英語(bed)を考えれば間違えません。
×ギャッジアップ→○ギャッチアップ
調整ベッドを発明したアメリカの外科医、Dr. Willis D. Gatch の名前に由来しています。
×ウロバック→○ウロバッグ
英語(bag)を考えれば間違えません。

※他にもありましたらツイッターなどで教えてもらえると嬉しいです。

まとめ

介護の記録では、何でも簡単な表現で書けば良いわけではないし、専門用語を多用するのも違います。
その記録を読む人のことを考えて言葉を選んでいくことが大切なんですね。

「ことば」は常に変化しています。
その時の状況に合わせて、いちばん伝わる言葉を選んでいきたいですね。

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この記事を書いた人
ヒデ(@marukaigo)
30代、男性
ユニット型特養で働いてる介護福祉士
介護業界6年目、ユニットリーダーやってます
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