「お笑い」には高度なコミュニケーション技術が使われているのを皆さんご存知ですか。
そのコミュニケーションの取り方を、認知症介護にも活かしてみませんか。という趣旨が書かれていた本を読んだのでご紹介します。
前回の記事『認知症介護「その関わり方、間違いです!」から妄想が生まれるメカニズムと介護のコツを学ぶ』の続きとなります。
よろしければ前回の記事もご覧ください。
認知症介護「その関わり方、間違いです!」―介護現場の理学療法士直伝
読んだ本はこちら↓
目次
- 第1章 物盗られ妄想からの脱却
- 第2章 未来の認知症ケア
- 第3章 介助者が大切にしたい「目と手と心」
- 第4章 介助にメッセージを込めよう
- 第5章 関わり方方法論「お笑い」からコミュニケーションの極意を学ぶ
前回の記事では第1章から認知症の症状のひとつ「妄想」が生まれるメカニズムと介護のコツをご紹介しましたが、今回は第5章から「お笑い」をテーマに関わり方のコツをご紹介します。
関わり方方法論「お笑い」からコミュニケーションの極意を学ぶ
漫才でいうツッコミをあえて定義すると「面白いことやおかしなことを話すボケに対し、その間違いを素早く指摘し、訂正する役割」だといえます。
認知症者さんの奇想天外なボケに対して鋭い突っ込みを入れる介護職やご家族の漫才のようなやり取りは、介護現場でもよくみられる光景ではないでしょうか。
そのやり取りが温かく笑いが生まれているのならまだ救われますが、ツッコミによって認知症者さんの自尊心が傷ついてしまっているようでは良い関わり方とは言えません。
良い関わり方はハライチ「澤部」から学べ!?
認知症者さんのボケに対して鋭いツッコミをせずにどうすればいいのか?
その時に参考になるのがハライチの漫才です。
「ツッコミ」ではなく「ノリボケ」と呼ばれていたりしますが、この返しが認知症の方には理想的です。
認知症者さんのボケに対してツッコむのではなくノッていく。
例えば「子どもにご飯をつくりますので、帰らせていただきます」と施設から出ていこうとする女性に「今日は帰れませんよ」とツッコむのではなく「今日はご飯をたくさんの人に用意する日なんです。〇〇さん手伝っていただけませんか」とご飯の手伝いをしていただくのが良い関わり方です。
認知症者さんのボケの世界観(セルフイメージのずれ)を理解して、それにノッテいく。
ある意味では鋭くツッコむよりも高度な介護技術かもしれませんね。
ハライチを参考に「ノリボケ」の技術を学んで、介護に活かせばまた違った反応が返ってくるかもしれません。
(動画では(3:29)で澤部がキレてツッコんでいますがここは参考にしちゃダメですよw)
まとめ
僕は「お笑い」が好きなので、この本を読んで妙に納得してしまいました。
この本を読む前から、僕は認知症者さんの意味不明な発言を、お笑いのボケとしてとらえるという感覚でいたという事に気がついたんですね。
発想がすごい豊かだなー。なんて感心する事もよくあります。
そのボケに対してツッコミをせずにノッていくということを自然とやっていたので、なかなか良い関わり方が出来ていたのかなあと思いました。
これからも自然に良い関わり方が出来るように、認知症者さんのボケの世界観を素早く察知して良い切り返しが出来るように腕を磨いていきたいと思います。
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