ケアプランを作る時に言いたいことや状況はあるんだけど、なかなか文章にできない。
フリーズしたまま時間がどんどん過ぎていった経験が何度もあります。
それに加えて、サービス内容を充実させるアイデアはもっとないのかと、頭を悩ませてきました。
まだまだ勉強中の身ですが、今までの経験をもとに文例集を作成しました。
ケアプラン作成に悩むケアマネや介護士が文例を読んで、業務をスピードアップしていただけたら幸いです。
事例は随時追加していきます。
細かいニュアンスや状況は、各自で修正してご活用ください。
皮膚疾患
水虫の治療・予防
(総合的な援助の方針)
両足の指に水虫があります。以前よりも改善していますが、完治できるように対応を継続していきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
足の指に水虫があり、治療する必要がある。 | 足の指の水虫を治し、再発を予防する。 | 足の指を清潔に保つことができる。 | 5本指ソックスを着用していただく。 |
入浴後、足の指を良く乾かしてから軟膏を塗布する。 | |||
就寝時に、蒸しタオルで足の指を拭き、良く乾かしてから軟膏を塗布する。 |
全身のかゆみ
(総合的な援助の方針)
皮膚の乾燥などによりかゆみがあります。保湿を行い掻き壊しで傷を作らないように支援していきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
全身の皮膚に乾燥があり、かゆみがある。掻き壊して皮膚を傷つけてしまう可能性がある。 | 皮膚トラブルを起こさない。 | かゆみを軽減することができる。 | 薄い綿の手袋とレッグウォーマーを着用する。 |
10時の排泄介助時もしくは入浴後と、就寝前に患部に軟膏を塗布する。 | |||
居室に加湿器を設置する。 | |||
衣類はご家族に用意していただいた無添加の洗濯洗剤を使用して洗濯する。 |
褥瘡の予防
(総合的な援助の方針)
痩せているため褥瘡ができてしまう恐れがあります。
栄養を十分に取っていただき、除圧を心がけることで褥瘡を予防していきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
入居時の体重が○○㎏、BMI△△。現在は体重●●㎏、BMI▲▲でやや改善したが依然として痩せている。寝返りも難しいため褥瘡になってしまうリスクがある。 | 褥瘡を予防することができる。 | 栄養状態を改善して褥瘡になりにくい身体になる。 | ラコールを1日1パック(200㏄)提供する。栄養状態の経過観察をして、随時栄養補助食品の内容を検討する。 |
臀部の除圧をすることができる。 | エアマットを使用する。 | ||
臀部の状態と体力を考慮して食事、おやつ、入浴以外は臥床対応とする。 | |||
臥床時はクッションを使用して足の皮膚が重ならないようにポジショニングする。 | |||
臥床時は2時間おきに体位変換を行う。 |
褥瘡の予防 その2
(総合的な援助の方針)
自発的な動きが少なく、皮膚に圧がかかりやすい状態です。
適宜、除圧を行い褥瘡を予防します。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
皮膚が弱く、臀部や踵に傷が出来やすい。臥床時間も長いため予防が必要。 | 身体に痛みなく過ごすことができる。 | 定期的に除圧を行い、傷を予防することができる。 | ベッドで休息している時は2時間毎に体位変換を行い、除圧に努める。 |
ベッドで休息している時は、見本の写真を参考にしてクッションを使用する。 | |||
車椅子使用時は座面にクッションを使用し、臀部に負担がかかりづらいようにする。 | |||
排泄介助時や入浴時に皮膚状態を確認し、異常が見られた際は看護師に報告して必要な処置を行う。 |
褥瘡の予防 その3
(総合的な援助の方針)
痩せており皮膚が弱いため褥瘡になってしまうおそれがあります。
除圧や清潔の保持を行い予防に努めます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
痩せており、皮膚が弱く、摩擦による皮膚剥離や排泄物の影響で背部や臀部の皮膚トラブルが生じやすい。 | 皮膚トラブルを起こさずに過せる。 | 皮膚に負担をかけずに生活ができる。 | エアマットを使用する。 |
臥床時は2時間ごとに体位変換を行い、チェック表に向きを記入して同じ向きにならないように注意する。 | |||
入浴時はチェア浴のイスにバスタオルをしき、背部と臀部を保護する。 | |||
離床時間は1時間以内とし、除圧クッションの使用やプッシュアップによる除圧を行う。 | |||
臀部は、アズノールを塗布してとラップで保護を行う。ラップはヨレ防止のため、大きめにする。 | |||
皮膚トラブルを発見した時には看護報告し、軟膏等で対処を行う。 |
褥瘡の予防 その4
(総合的な援助の方針)
自発的な動きが少なく栄養状態も低下しているため褥瘡が悪化しやすい状態です。
除圧など適切なケアを行い皮膚状態を改善できるように支援していきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
臀部に褥瘡があり、皮膚状態悪化を防ぐ必要がある。 | 臀部の皮膚状態悪化を防ぐことができる。 | 臀部の皮膚に負担の少ない生活を送ることができる。 | 臀部の処置部が尿、便汚染してしまった時は、洗浄して再度処置をする。夜間は、トイレに準備されている新しいテープを当てる。 |
声掛けにて定時にトイレ誘導し、パッドやリハビリパンツが汚染していないか確認する。汚染時は交換する。 | |||
午前、午後ともに1時間ほど臥床する。 | |||
フロアで過ごす際は、1時間を目安に座り直しをしていただく。その際は、クッションの機能を十分にいかすため、深く座っていただく。 | |||
皮膚状態が悪化してしまった場合は病院受診する。 | |||
栄養補助食品を提供する。(メイバランス、ブイクレスゼリー) |
褥瘡の予防 その5
(総合的な援助の方針)
入居時のBMIが○とやせており、自発的な動きが少ないため褥瘡ができやすい状況になっています。
傷なく生活できるように支援してまいります。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
入居時(R○.○月)のBMIが○と低くやせている。ベッド上での動きも少ないため褥瘡ができてしまうおそれがある。 | 身体に傷なく過ごすことができる。 | 体重が維持向上できる。 | クリミールをおやつ時に1日1本提供する。 |
食事は声掛けにて自己摂取していただく。それでも手が止まってしまう時は介助を行う。 | |||
体重測定を行い推移を確認する。体重が低下傾向な時は栄養補助食品を検討する。 | |||
皮膚の除圧ができる。 | 臥床時は体位変換を行う。 | ||
排泄介助時に仙骨部にアズノールを塗布する。 |
身体機能
ADLの維持
(総合的な援助の方針)
入院の影響からか身体能力が低下しており立位保持や移乗が難しくなっています。
できるだけ現在ご自身でできていることを継続できるように支援していきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
身体能力が低下してきている。自分でできていることを継続したい。 | 日常生活動作を維持することができる。 | 自分のことはできるだけ自分で行う。 | ベッドと車いすの移乗はL字柵の使用などで、できるだけご自身の力で移乗できるように介助を行う。 |
口腔ケアはご自身で行っていただき、適宜確認をする。 |
身体の痛みの軽減(変形性腰椎症)
(総合的な援助の方針)
変形性腰椎症のため身体に痛みが継続してあります。痛みを軽減してできるだけ快適に過ごせるように支援していきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
肩や腰に痛みがある。 | 痛みによるストレスを軽減できる。 | 身体の痛みを軽減することができる。 | 本人希望時と就寝時に痛みがある部位に軟膏を塗布する。 |
痛みに合わせて薬の調整を検討する。 | |||
ベッドからの起き上がりや車いすへの移乗は、本人の動きに合わせてできるだけ腰をひねらないように介助を行う。 | |||
浴槽への出入りは2人介助で行う。 |
身体の痛みの軽減(腰痛:胸椎圧迫骨折、腰椎側弯症)
(総合的な援助の方針)
胸椎圧迫骨折や腰椎側弯症があるため、腰や背中に負担の少ない生活を送れるように支援していきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
胸椎圧迫骨折や腰椎側弯症があるため、腰や背中に負担の少ない生活を送る必要がある。 | 腰や背中の痛みなく生活することができる。 | 身体の状態に合わせて生活することができる。 | 腰や背中の痛みの状態に合わせて離床時間を検討する。 |
離床時はコルセットを着用する。 | |||
移乗時は、できるだけやさしく着座していただくように介助する。 | |||
入浴はチェア浴とする。痛みに応じて清拭やシャワー浴を検討する。 |
身体の痛みの軽減(腰痛:腰椎圧迫骨折)
(総合的な援助の方針)
腰痛があり診察の結果「変形性腰痛症」「腰椎圧迫骨折」の診断がありました。
痛みはだいぶ和らいできていますが、まだタイミングによっては痛みがあるので、状態に合わせた対応を行い負担を軽減していきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
圧迫骨折などにより腰の痛みがある。 | 腰の痛みが軽減できる。 | 腰に負担の少ない生活を送ることができる。 | 離床時はコルセットを着用する。 |
移乗時は本人の痛みに合わせて介助や見守りを行う。 | |||
腰の痛みの状態に合わせて、シルバーカー使用の再開を検討する。 | |||
臥床時は適宜体位変換を行う。 |
排泄
排便コントロール
(総合的な援助の方針)
下痢症があるため、本人の苦痛にならないように排便コントロールを行います。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
下痢症あり。便を気にして食事や服薬を拒否されることがある。 | 便のことを気にせずに過ごすことができる。 | 適切な下剤の使用で、苦痛を軽減することができる。 | トイレ希望(特に排便)の時は出来る限り早くトイレ誘導を行う。 |
排便時は便の状態を確認し、軟便が継続する時は看護師に報告する。 | |||
看護師は報告をもとに下剤の調整を行う。 | |||
軟便や水様便の継続により肛門の赤みや、氏から痛訴が聞かれた際には、アズノールを塗布、看護報告する。 |
食事・栄養
栄養状態の維持
(総合的な援助の方針)
ご家族に差し入れのご協力をいただき、食事が進むように支援を行います。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
好き嫌いが多いため副食の摂取量が少ない。栄養状態が低下してしまうおそれがある。 | 食事摂取によって健康維持することができる。 | 施設の食事、代替品(ご家族の差し入れ)によって必要な栄養を摂ることができる。 | 食事の盛り付けは、見た目に配慮する。ソース類は始めからかかっていることを好まれないため、別容器に盛り付ける。 |
施設の食事摂取(副食)が著しく少ない場合は、本人の意向をうかがい、ご家族差し入れのおかずを代替品として提供する。 | |||
本人の嗜好に合わせて、ご家族からおかずの代替品を差し入れしていただく。 | |||
本人から希望があった時は、施設内の売店でお菓子を購入できるように誘導する。購入したものは適宜提供する。 |
栄養状態の維持 その2
(総合的な援助の方針)
体重減少が気になりますが、大きなお変わりなく過ごされています。
栄養補助食品を使用することにより、嘔吐に気を付けながら体重を維持、改善できるように支援していきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
食事摂取量が少ないため、栄養補助食品も使用して栄養を補う必要がある。食べ過ぎてしまうと嘔吐することもあり、栄養面と食事・水分提供量に配慮が必要。 | 嘔吐をおこさず必要な栄養を摂取することが出来る。 | 適切な量の食事を食べることができる。 | 食事は嘔吐予防のため主食、副食ともに上限5割で提供する。 |
栄養補助食品としてクリミール1本(200kcal)、メイバランスゼリー1/2(100kcal)+粉飴(250kcal)を提供する。 | |||
栄養補助食品の提供については食事摂取量や栄養状態を考慮して随時変更を検討する。 | |||
食事を落ち着いた環境で召し上がっていただくため、居室のベッド上で提供する。 | |||
食事を全量召し上がった際は、嘔吐予防の為に水分量で調整し、1回の食事で150㏄上限とする(通常は200㏄上限)。 | |||
嘔吐予防の為、食後には30分程度ギャッチアップを継続する。 |
安全な食事摂取
(総合的な援助の方針)
嚥下能力と認知能力の低下によりスムーズに食事を食べることが難しくなってきています。
安全に食事を召し上がれるように支援していきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
食事や水分を召し上がる時に咽込みや溜め込みが見られることがある。 | 安全に食事や水分を召し上がることができる。 | 本人の状態に合わせた食事を提供することができる。 | 食事は食べやすい様に、主食:固粥、副食:超刻みで提供する。 |
水分にはトロミをつけ、ムセ込みを防止する。 | |||
覚醒状態が悪い時や、食事中にムセ込みや溜め込みが続いた時は、無理せず食事を中止する。 |
誤嚥性肺炎の予防
(総合的な援助の方針)
嚥下能力が低下しているため、食事形態や介助方法に留意して誤嚥性肺炎の予防に努めます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
誤嚥性肺炎の既往がある。嚥下能力が低下してきており、再発を予防する必要がある。 | 誤嚥性肺炎を起こさない。 | 安全に食事を食べることができる。 | 食事形態は主食、副食ともにペーストで提供する。量は主食、副食ともに7割、汁物10割で提供する。 |
水分は150㏄に対してとろみ10gでとろみをつけて提供する。 | |||
食事を自己摂取される時は見守りを行い、食べるペースや1口の量に気をつける。むせ込みがある時や危険を感じた時は介助を行う。 | |||
覚醒状態が悪い時やむせ込みがある時は無理せず中止する。 | |||
歯科衛生士による口腔ケアを行う。 |
誤嚥性肺炎の予防 その2
(総合的な援助の方針)
誤嚥性肺炎の既往があり、嚥下機能も低下してきています。
再発を予防できるように支援していきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
誤嚥性肺炎の既往があり、再発を予防する必要がある。 | 誤嚥しない。 | ムセ込みなく食事を食べることができる。 | 食事形態は、主食、副食ともにペースト。水分にはトロミをつけて提供する。 |
食事量は本人の状態に合わせて調整していく。 | |||
食事時に姿勢が崩れている時は、声掛けと介助で姿勢を整える。 | |||
歯科衛生士による口腔ケアを行う。 |
嘔吐の予防
(総合的な援助の方針)
身体に負担の少ない生活を送ることで、嘔吐を予防してまいります。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
排便後や食事後に嘔吐されたことがあり、予防が必要。多量の排便時の血圧低下や、便秘時の食べ過ぎが嘔吐の原因と思われる。 | 嘔吐せずに過ごすことができる。 | 身体に負担の少ない生活を送ることができる。 | 食事は主食、副食ともに7割で提供する。体重が減少してしまった時は栄養補助食品を検討する。 |
排便-3日の時は、食事量を5割で提供する。また、本人の負担を考慮し、居室のベッド上で食事を提供する。 | |||
排便が-3日の際は便秘防止のため、○○座薬使用する。 | |||
排便があった時も朝食後の○○(下剤)は通常量を内服する。水様便が継続してしまうなど便性が悪い時は看護師に相談する。 | |||
本人の負担を考慮し、入浴は食後1時間以上あけてから行う。 | |||
便秘防止のため、適宜冷たい牛乳を提供する。 |
事故予防
体動による転倒、転落
(総合的な援助の方針)
かゆみのためか、ベッド上や車いす上での体動があり、転倒や転落の危険があります。安全に生活できるように支援していきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
ベッド上や車いす上で体動があるため、転倒や転落の危険がある。 | 事故なく安全に生活することができる。 | 安全な環境で生活することができる。 | 低床ベッドを使用し、臥床時はベッドを最低床にする。 |
ベッド脇にベッドマットを敷き、緩衝材とする。 | |||
車いす上で覚醒状態が良く、体動がある時は見守り強化する。 |
体動による転倒、転落 その2
(総合的な援助の方針)
体力の回復に伴ってベッド上での動きも増えてきているため、アザやベッドからの転落、転倒などの怪我に注意してケアを行っていきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
ベッド上での体動があり、危険認識が低いため、転倒や転落、アザなどの怪我に注意が必要。車いす上でも動きがあり同様に注意が必要。 | 怪我せずに過ごすことができる。 | 安全に過ごすことができる。 | ベッド臥床時は床にベッドマットを敷き、万が一ベッドからの滑落があった際の怪我を軽減する。 |
ベッド柵を保護する。また、アームウォーマーを着用して腕のあざを予防する。 | |||
臥床時はこまめに巡視を行う。 | |||
離床時は、こまめに姿勢や動きを確認して車いすからの滑落や転落を予防する。 | |||
車椅子で移動する時は、手をタイヤに巻き込まれない様に、動くことを本人に理解してもらってから移動介助を行う。 |
筋力や認知能力の低下による転倒、転落
(総合的な援助の方針)
筋力や認知能力が低下してきており、転倒や転落による怪我のおそれがあります。
安全に生活できるように支援していきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
下肢筋力やバランス感覚が低下しており、危険意識も低いためベッドや車いすからの転落や転倒のリスクがある。 | 怪我なく安全に生活することができる。 | 転倒、転落しない。 | 臥床時はベッドを最低床にして、ベッドわきにマットを敷きクッションとする。 |
ベッドにセンサーを設置して起き上がりに対応する。 | |||
車いすに乗っている時は左右の傾斜に注意して、必要に合わせてクッションで姿勢を補正する。 |
筋力や認知能力の低下による転倒、転落 その2
(総合的な援助の方針)
認知能力や運動能力が低下しており、転倒や転落の危険があります。
安全に生活できるように支援していきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
危険意識や運動能力の低下により転倒や転落してしまう危険がある。 | 怪我なく安全に生活できる。 | 安全な環境で生活できる。 | ベッドに離床センサーを設置して反応時は要件をうかがい、対応する。 |
L字柵は開放したままで、車椅子を付け「コールで呼んで下さい」のファイルを座面に置く。コールも必ず手の近くに置く。 | |||
トイレや臥床時は「コールを押してください」と毎回お願いする。 | |||
歯磨き~臥床までとトイレは基本的に本人に付き添って対応する。 | |||
夜間帯は義歯をおあずかりしてユニットキッチンで保管する。 |
片麻痺による介助中のケガの予防
(総合的な援助の方針)
左片麻痺で左手足が脱力気味です。患側の動きに注意しながら介助を行い、ケガを予防します。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
左半身麻痺により腕の脱力や四肢の筋力低下があり、介助時に痣や怪我が出来ない様に注意する必要がある。 | 怪我なく安全に生活することができる。 | 麻痺側の身体状態に合わせた安全な介助が受けられる。 | 左腕は、身体の下に巻き込まない位置にあることを確認して、移乗や体位変換を行う。 |
車イス乗車時は、手を膝の上に置く。テーブルにつける際は手の位置を確認して挟み込みに注意する。 | |||
移乗は車イスの肘掛けを上にあげ、フットレストを外して行う。 | |||
膝関節症による痛みが出ないように、大腿部を動かす介助を行う際は、脛を支えながら行う。 |
病気の予防
尿路感染症の予防
(総合的な援助の方針)
尿路感染症を繰り返しているため、清潔保持を心がけて再発を予防します。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
尿路感染症を何度か発症しており、予防する必要がある。 | 病気を予防して穏やかに生活することができる。 | 清潔保持など、日頃から予防に努めることができる。 | パット交換時に陰部洗浄を行い、陰部を清潔に保つ。 |
尿の色や匂いなどを観察し、異常があった時は看護師に報告する。 | |||
水分摂取量を確認し、1日1000㏄以上になるように提供する。 |
尿路感染症の予防 その2
(総合的な援助の方針)
尿路感染症を予防して、体調不良なく過ごせるように支援します。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
尿路感染症を繰り返しており、予防する必要がある。 | 尿路感染症にならない。 | 清潔保持と飲水量の確保を行う。 | 排泄介助ごとに陰部洗浄を行う。毎回石鹸を使用して、たっぷりの微温湯で洗い流す。 |
ベッド上にストローマグでポカリ150㏄を提供したり、離床時にこまめに水分を勧めたりして、水分摂取量が1日1000㏄を下回らないように注意する。 |
膀胱炎の予防
(総合的な援助の方針)
十分な水分摂取と清潔の保持を行い、尿路感染症を予防して、体調不良なく過ごせるように支援していきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
膀胱炎を繰り返しているため、継続的な対応が必要。 | 膀胱炎による血尿や痛みなどの症状を起こさずに過ごせる。 | 水分を1日1000ml以上摂取する。 | フロアで過ごす際には牛乳などお好きな飲み物を提供し、声掛けを行う。 |
食事時の水分提供は嘔吐予防を目的に300mlを上限に抑えているため、おやつ時には250mlの水分を提供する。 | |||
陰部の清潔保持により、感染症予防ができる。 | 清潔保持の為、排泄介助毎に陰部洗浄を実施する(石鹸の使用は1日1回)。 | ||
パットへ排泄される尿の状態観察を行う。色や匂い、量などに変化や異常を感じた時には看護師に報告する。 |
心疾患の予防
(総合的な援助の方針)
ペースメーカを着けており体調が急変するおそれがあります。できるだけ身体の負担を少なく過ごしてもらえるように支援いたします。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
ペースメーカーを着けているため、日常生活でも急変の危険がある。 | 心臓疾患を原因とした急変を起さず過ごすことができる。 | 心臓を労わって生活を送ることができる。 | 食事の直前に離床していただく。 |
昼食の時間が長くなってしまい臥床時間が短くなりそうな時は、おやつを夕食に回すか本人にうかがう。 | |||
外出、入浴、機能訓練開始時の際にはバイタル測定を行う。血圧高値の際や徐脈の際は、外出や入浴などを看護師の判断で中止する。 | |||
○○病院に定期受診する。 | |||
両下肢の浮腫や冷感の有無を確認する。両下肢は厚手の靴下などで保温に努める。冷感が顕著な場合は看護師に報告をする。 | |||
心臓に負担がかからないように、移乗などのケアは本人のペースに合わせて行う。 | |||
入浴が好きだが、長湯になり過ぎないように注意する。 |
糖尿病の予防
(総合的な援助の方針)
食事管理と与薬により糖尿病性腎症が悪化しないように支援してまいります。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
糖尿病性腎症があり、悪化を予防する必要がある。 | 病状を悪化させない。 | 栄養状態に配慮した食事を食べることができる。 | 食事は腎臓病食(カロリー1600kcal、塩分6g、タンパク質40g)を提供する。 |
パンはジャムなし、コーヒーはブラック、紅茶はノンシュガーで提供する。砂糖を希望された時はパルスイートを使用する。 | |||
定期的に血液検査を行い栄養状態を確認する。 |
認知症の対応
食事の自己摂取
(総合的な援助の方針)
認知症の進行や気分の問題により、食事の自己摂取が難しくなってきている。
できるだけご自身で食事を召し上がることができるように支援していきます。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
認知能力の低下などにより食事の自己摂取が難しくなってきている。 | 食事の自己摂取を継続することができる。 | できるだけ自分で食事を食べることができる。 | 食事を配膳しても手を付けない時は、声掛けをする。 |
上記の対応を行っても進まない時は、スプーンを持ってもらったり、少し介助で召し上がっていただくことで、自己摂取のきっかけを作る。 | |||
何度か上記の対応を行っても召し上がらない時は介助する。 | |||
水分を提供して、何度か促しても飲まれない時は、ジュースなどにトロミをつけて提供する。 |
精神衛生
精神面の安定
(総合的な援助の方針)
気分に浮き沈みがあり食事摂取量に影響が出てしまうことがあります。
心穏やかに過ごしていただけるように支援いたします。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
気分に浮き沈みがあり、食事の摂取量低下などの影響が出ることがある。 | 精神的に穏やかに生活できる。 | コミュニケーションや余暇の機会作りをする。 | 居室への訪室時には、声掛けを行い、コミュニケーションをとる。 |
臥床時等、居室で過す時はご本人が好まれるテレビ番組やDVDを掛けて差し上げる。 | |||
訪室時にテレビやDVDを観ていらっしゃる時には、その内容を話題に声をかけてみる。 | |||
食事の時間は職員との会話などで楽しめる雰囲気を作る。 |
本人の希望
生活の楽しみ
(総合的な援助の方針)
楽しみを持って生活出来るように支援致します。
課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
今の生活を続けて、楽しみを持って過ごしたい。 | 充実した生活を送ることができる。 | 意向に沿った生活を送ることができる。 | 毎食事時とおやつは離床して提供する。体調に合わせて離床時間を検討する。離床した際は、TV前の席で過ごしていただく。 |
職員とお話しすることも好きなので、筆談やジェスチャー等も交えてコミュニケーションをとる。またジャンケンなどの手遊びも好まれる。 | |||
動物が好きなので、動物のDVDを鑑賞していただく。 | |||
機能訓練指導員の個別機能訓練ではフロアや屋外での散歩も行い、気分転換する。 |
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