現場兼務の施設ケアマネに転職が決まったので、働き方について考えています。
というのが、今の僕の感覚なんですよね。
これから施設ケアマネとして働くのにこのままじゃマズい。
新しく勤務する施設では、今現在施設ケアマネはいなくて自分が初めて施設ケアマネになります。
施設ケアマネの導入で、現場の介護士の負担軽減も大きな目的のひとつとして考えているみたいですね。
施設ケアマネにはどういう働き方が求められるのか、理想の施設ケアマネについて考えていこうと思います。
施設ケアマネの必要性を感じていない理由
施設ケアマネは不要だと考えてしまうのは、今までの経験によるところが大きいです。
うちの特養では、1年ほど前に施設ケアマネが導入されました。
それまでは、相談員が兼務する形で、居室担当者がケアプランに関する仕事のほとんどを行っていたんですね。
施設ケアマネが作るケアプランはいまいちな物が多かったんですよね。
ま、本人の資質にもよるとは思いますが。
ただ、ご自宅で生活している人のケアプランに比べて、施設ではサービス提供者が限定的なため、アセスメント、ニーズの抽出、プランニング、モニタリングなどケアプランにかかわる業務は、質と効率ともに現場の介護職員の方が良いって思っています。
特にアセスメントから課題やニーズを把握する部分は、普段接する機会の多い介護職員が圧倒的に良いものができるはず。
また、ご家族も施設に任せきりな方が多く、利用者さんも重度者が多いためヒアリングが難しいという問題があり、現場の職員がアセスメントを行った方がよりよいものが出来るんじゃないかと思ってしまう要因のひとつになっています。
さらに、自分がケアマネの資格を取った前後で、施設のご利用者さんのケアプランを作る能力が変わったかって聞かれると「ほとんど変わってないと思う」ってのが正直なところなんですよね。
施設ケアマネの理想的な働き方ってなんだろう
とりあえず本でも読んでみるか、と「必携!イラストと図解でよくわかるケアマネ実務スタートブック」を読みましたが、あまり参考にはならず。
読了。
ほとんどが居宅ケアマネさんへの内容で役に立ちそうな部分がなかったな~、残念。どなたか施設ケアマネに向けたオススメの本をご存じだったら紹介してくれませんか?? pic.twitter.com/AHP8VhTUbj
— 丸顔介護士ヒデ (@marukaigo) 2018年6月27日
「施設ケアプラン記載事例集」は、プランについては参考になりましたが、働き方はイマイチ。
こちらは事例として参考にできそうな部分がありました(・∀・) pic.twitter.com/8PGJywDQOQ
— 丸顔介護士ヒデ (@marukaigo) 2018年6月27日
ケアマネに関する書籍は居宅ケアマネ向けのものがほとんどで、特養の施設ケアマネが読んで役立ちそうなものは、なかなか見つからないですね。
居宅ケアマネと施設ケアマネには、それぞれ専門性があると思います。
確かにケアプランの基本となる考え方は同じですが、必要とされる能力や考え方は違いますよね。
いろいろ検索してみたところ、ちょっと面白かったのが厚生労働省の「介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方に関する検討会」。平成24年とちょっと古いですが参考になりました。
全てに目を通した中から、いくつか抜粋して紹介します。
こちらは、生活相談員との関係性と、法令で定められている施設ケアマネの役割が書かれています。
【施設ケアマネジャーの役割】
施設におけるケアマネジャーについては、支援(生活)相談員との役割分担が不明確であることから、その位置付けを明確化すべきであるとの意見があった。【介護老人福祉施設(特養)における介護支援専門員の役割に係る規定】
指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三+一日厚生省令第三十九号)
第十ニ条 指定介護老人福祉施設の管理者は、介護支援専門員に施設サービス計画の作成に関する業務を担当させるものとする。
第二十ニ条の二 計画担当介護支援専門員は、第+ニ条に規定する業務のほか、次に掲げる業務を行うものとする。
一 入所申込者の入所に際し、その者に係る居宅介護支援事業者に対する照会等により、その者の心身の状況、生活歴、病歴, 指定居宅サービス等の利用状況等を把握すること。
ニ 入所者の心身の状況、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討すること。
三 その心身の状況、その置かれている環境等に照らし、居宅において日常生活を営むことができると認められる入所者に対し、その者及びその家族の希望、その者が退所後に置かれることとなる環境等を勘案し、その者の円滑な退所のために必要な援助を行うこと。
四 入所者の退所に際し、居宅サービス計画の作成等の援助に資するため、居宅介護支援事業者に対して情報を提供するほか、保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者と密接に連携すること。
五 第十一条第五項に規定する身休的拘東等の態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録すること。
六 第三+三条第ニ項に規定する苦情の内容等を記録すること
七 第三十五条第三項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置について記録すること。
引用:第1回資料
こちらは、ケアマネの実務研修が施設ケアマネの専門性に配慮されていないのではないかという問題。
【施設ケアマネジャーについて】
法廷研修における位置づけの明確化(法廷研修が居宅介護支援に偏っている)
引用:第3回 木村構成員提出資料
【施設ケアマネジャーの研修資質向上の基本的な考え方(現状)】
・実務研修上も「施設ケアマネジメント」は、「居宅ケアマネジメント」 の応用のような位置づけとなっている。
・現在の実務研修受講者の約4割は施設系である。
・転職や異動などにより、居宅から施設居住系(またその逆)でのケアマネとなることも往々にみられる。
↓
・ケアマネジメントの本質や根幹となるプロセスは、居宅と施設・居住系においても同じである(べき)。
(他の専門職と同様に「居宅ケアマネ」「施設ケアマネ」という資格ではない)
↓
・居宅、施設・居住系の視点・特性の両方について理解し、より総合的なケアマネジメントが実施できる必要がある。
・社会資源の有効な利用という観点からも居宅と施設・居住系の両方の視点を有し、相互に連携・協カしていく必要がある。
引用:介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上と今後のあり方について~施設ケアマネジャーに関して~
【第1回-第4回検討会における主な意見:施設の介護支援専門員】
・介護業務をマネジメントする介護支援専門員と、入所者の生活を支援していく支援(生活)相談員の役割を分ける必要はないのではないか。
・在宅ケアにおけるケアマネジメントと、施設におけるケアマネジメントでは、かなり異なる要素があるのではないか。
引用:第5回 参考資料「第1回-第4回検討会における主な意見」
こちらは、今まで現場で働く中でも実感してたことが多く、これからのケアマネ業務でも参考になりそう。
【施設ケアマネの課題】
1.インテークが適切に行われていない
→インテークについての認識不足
→インテークの重要度を理解していない
→インテークの活かし方を理解していない
→インテーク時に収集すべき情報の不足
→相談援助技術の欠如:主訴がつかめない2.アセスメント
→アセスメントについて認識不足
・アセスメント票をチェックしたり記入することがアセスメントだと理解していないか?
・利用者、介護者の要援護性を洗い出すことで満足していないか?
→相談面接技術の欠如:利用者、介護者の思いが聞き出せない3.プランニング
利用者の自立支援に資するプランニングが立てられていないのではないか?
→ケアプランの立案方法や手順についての混乱や誤解(多職種が関っていない)
→アセスメント情報がケアプランに活かされていない
→ケアプランが現場の後追いになっている
→ケアプランと職種別の個別計画等の関係性や構造についての理解不足
例)栄養ケアマネジメント、リハビリ計画など
→ニーズや目標設定等についての未熟さ
・入所時やプランニングの段階でのゴール設定があいまい
・ニーズや目標に「安全」「安心」「活発」「生きがい」等の抽象的な内容が含まれるため評価しづらい4.プランの実行
ケアプランがプラン通りに実行されていないのではないか?
→ケアプランの周知不足
→ケアの実行方法が統一できない
→ケアプランの内容と現場のケアが別物
→ケアプランは実行するものであるという意識が低い
→実行した結果を監視する方法や仕組みを定めない5.モニタリング
モニタリングが適切に行われていないのではないか?
→モニタリングについての理解不足
→モニタリングにはケアの実行状況の監視と結果を評価する二つの機能があることが理解されていない。
→定期的な評価が重視され、日々の実行状況の監視が軽視されている
引用:施設のケアとケアマネージャーについて
ケアマネの仕事をするうえで起こりやすい問題をたくさん知れたので、少しずつ働き方のイメージがわいてきました。
ということで、現状やりたいことはこんな感じ↓
・生活相談員との役割分担を明確にする。
・現場の介護士と兼務なので、月にどのくらい施設ケアマネとしての時間が取れるのかを明確にする。
・その時間内で出来る仕事内容を考えて、仕事の中身を作り上げる。
・ケアプランの運用状況を確認する。
・利用者さんの状態を効率よく把握するために各ユニットの会議に参加したい。
・施設ケアマネの仕事が、利用者さんにとっても、介護士にとっても形だけの仕事にならないようにしたい。
あとは実際に働きながら考えていきたいですね。
これに加えて今までの経験を元にしたケアや業務改善も期待されているみたいなので、できる範囲でやっていきたいと思います。
今後、働いてみての状況については、ちょこちょここの記事に追記していきますね。
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