ツイッターのフォロワーさんからのお悩み相談で、介護の仕事の業務内容を教えてほしいというものがありました。
↑長くなりそうなので、これも近いうちにブログ記事にしますね
ということで、
僕が勤務しているのはユニット型の特別養護老人ホーム(特養)ですので、特養の1日の流れをご紹介します。
同じ特養でも、施設によって違いがありますので参考程度にしてくださいね。
基本的な業務
特養は、介護が必要な高齢者が生活する施設。
終の棲家なんて呼ばれ方もして、人生の最期を迎えるまで暮らすことができます。
ですので、24時間365日仕事があります。
医療的な面は看護師が、ご家族などの連絡は相談員が中心となりますので、それ以外の生活に関わることを介護士が行います。
どの程度の介護が必要かは人それぞれですので、忙しさはそこで生活しているご利用者さんによって大きく変わります。
また、ご利用者さんは介護が必要な高齢者なので体調も変化しやすく、状態に応じた対応が求められることになります。
とはいえ、施設内では普通に生活をされていますので、同じような毎日に同じような仕事を行なっています。
基本的な業務を表にしましたのでご覧ください。
業務内容 | シフト | ||
---|---|---|---|
0 | (排泄) | (夜勤) | |
1 | ↓ | ||
2 | ↓ | ||
3 | ↓ | ||
4 | ↓ | ||
5 | (排泄) | ↓ | |
6 | ↓ | ||
7 | 起床 | 早番 | ↓ |
8 | 朝食 | ↓ | ↓ |
9 | 排泄 | ↓ | ↓ |
10 | ↓ | ||
11 | ↓ | 遅番 | |
12 | 昼食 | ↓ | ↓ |
13 | 排泄 | ↓ | ↓ |
14 | (入浴) | ↓ | ↓ |
15 | おやつ | ↓ | ↓ |
16 | 排泄 | 夜勤 | ↓ |
17 | ↓ | ↓ | |
18 | 夕食 | ↓ | ↓ |
19 | 排泄 | ↓ | ↓ |
20 | 就寝 | ↓ | |
21 | ↓ | ||
22 | ↓ | ||
23 | ↓ |
大まかですが、こんな感じです。
業務内容が空欄の時間もありますが、その前後の業務を行っているか、後ほど説明する「それ以外の業務」を行なっています。
具体的な仕事内容を項目ごとに分けてご紹介していきます。
食事介助
認知症などの疾患が原因で自分で食事を食べることが出来ない人のお手伝いをするのが、食事介助ですね。
声掛けをすればある程度は自分で食べられる人から、全て介助しなければいけない人まで様々。
食事介助は、1人あたりの時間が一番かかってしまうので、出来るだけ自分で食べていただけるように工夫をしています。
- 本人に合ったイスやクッションの使用で正しい姿勢をとる
- 本人に合った使いやすい食器やハシ・スプーンを用意する
- 本人に合った食べやすい食事形態で食事を提供する
- 食べこぼしのある人は、エプロンをする
- どれを食べたらいいのか迷ってしまう人は、食べ終わった食器から順次下げていく
- 好みで食事が進まない人は、ご家族にふりかけ・漬物などの嗜好品を持ってきてもらい提供する
- 異食がある人は、テーブルに余計なものを置かない
- 体力のない人は、食事の前に臥床して休んでおく
- もしくはベッド上で食べていただく
などなど。
全ての介助に言えることですが、ご利用者さんそれぞれに合った介助が出来るように心がけています。
食事の準備と後片付けも
食事の準備も介護士の仕事です。
といっても、調理はしません。
うちの施設では、施設の厨房でまとめて調理したものが各ユニットごとに送られてきます。
それをそれぞれのご利用者さんごとに分けて配膳します。
ご利用者さんの嚥下状態に合わせて食事形態が違うので、間違えないようにするのが大変ですね。
食事形態は、常食、刻み、ペーストといった感じでわかれています。
常食の人でも料理によっては食べにくいものがあるので、その場合は介護士が食べやすいように刻んだりします。
また、青魚や乳製品などの食品アレルギーを持っている人もいるので、提供しないように注意します。
味噌汁や、お茶などの水分には必要に応じてとろみ剤を使用します。
とろみ剤というのは、誤嚥を防ぐために水分にとろみをつけるものですね。
意外と危険がいっぱいなのが食事の時間なので、工夫と気遣いでリスクを回避しています。
食後は下膳をして、ユニットのキッチンで食器を洗います。
食洗機がありますので軽く下洗いして、食洗機におまかせです。
口腔ケア
食後は、口腔ケアを実施します。
自立度が高い人は「お部屋で歯磨きおねがいしまーす」の一言でOK。
全て介助が必要な人は、総入れ歯をはずして介護士が汚れを取り、口腔内をガーゼやスポンジでぬぐって入れ歯を戻します。
ここまでが食事に関する業務です。
意外とやることが多いんですよねー。
排泄介助
食事をしたら次はトイレです。
食べたら排泄をするのが自然の摂理ですからね。
歳をとっても、認知症になっても羞恥心はありますので、気を使うのが排泄介助ですね。
ただ、良くも悪くも回数を重ねて慣れてくると、この気遣いがだんだん薄れていきます。
僕自身も、介護の仕事に転職しようか迷っていた時に自分に排泄介助が出来るんだろうかって悩みましたね。
自分の場合、実際やってみたら全くイヤな気分にならなかったですね。
排泄介助も人それぞれで、トイレに誘導するだけだったり、トイレに座れない人はベッド上でパットを交換します。
排泄サイクルは人それぞれ違うので、完全に自立している人以外は尿の量を計測して排泄介助の時間やパットの種類を決めます。
上の表では排泄の時間が設定されていますが、これは目安です。
ご利用者さんそれぞれに時間が設定されており、トイレの訴えがあればその都度対応しています。
その時の状況に合わせて対応していく感じですね。
入浴介助
うちの施設ではご利用者さんごとに1週間に2回、入浴の日が設定されています。
他の施設ではどうなんですかね?
入浴予定だった日に体調が悪かったり、外出したりする時は翌日に繰り越して入浴します。
体調不良が続いてしまった時は、その週は1回とか全身清拭で対応しています。
着脱する職員、お風呂に入れる職員などと分業にして流れ作業方式で入浴をしている施設もあるみたいですが、うちの施設では最初から最後まで1人のご利用者さんに対して1人の職員が対応します。
そのため、ご利用者さんと濃いコミュニケーションが取れるのが入浴の時間になっています。
ただ、入浴担当の日は1日に何人も入れるので、体力は使いますけどね。
起床・就寝介助
排泄同様に個人の生活サイクルに違いがあるのが起床と就寝です。
食事の時間と職員のシフトの関係で時間の目安はありますが、そのご利用者さんの生活リズムに合わせて寝たり起きたりしてもらいます。
早い人は朝5時ごろから起きてくるし、遅い人は9時過ぎでやっと目覚めたり。
パジャマへの着替えもお仕事ですね。
それまでの生活歴や体力的な問題で着替えない方もいらっしゃいます。
日中の臥床
高齢者になってくると体力が低下しますので、日中にお昼寝をする人も多いです。
というか横にならないと体力が持たなくて食事が食べられなくなったり、ちゃんと座ってられなくなったりするので寝かせます。
この寝たり起きたりが、結構大変なんですよね。
夜間帯の仕事
基本的な業務の表のとおり、僕が勤務している特養では16時間夜勤です。
夜間帯の夜勤業務については、長くなってしまうので別の記事で紹介しますね。
それ以外の業務
以上が主な業務内容で、その合間に細かい業務を行っています。
記録に残す
介護の仕事をするうえで絶対に欠かせないのが、介護記録の記入です。
記録が残っていなければ、仕事をしていないと思われてしまう可能性があります。
どんなことを記録に残すのかというと、今までに上げた食事、排泄、入浴などを実施したかどうかですね。
それをパソコンで管理しています。
食事だったら、どれくらい食べたのか、水分はどれだけ取ったのか。
排泄だったら、いつ排尿があったのか、排便の量は、などなど。
それ以外にも、ご利用者さんに何か変化があれば記録に残します。
ケガをしてしまった時や体調変化があった時は、ご家族への説明もあるのでより詳しく書きますね。
詳しくは↓こちらの記事を参考にしてください。
申し送り
24時間365日をシフトを組んで回していますので、よい介護をするには職員間の情報共有が重要です。
申し送りもその情報共有のひとつ。
シフトをバトンタッチする時に現場の状況を次の職員に伝えます。
申し送り以外にも情報共有のツールは幾つかあって、メモ程度のものからインターネットを使ったものまで様々ですね。
イベント
新年会や家族懇談会のような施設全体で行うものから、ユニット単位で行うような食事作りなど様々なイベントがあります。
その企画や準備、実施して後片付けまで行います。
会議、委員会
ご利用者さんにより良い生活を送ってもらうために会議や委員会があります。
これも施設全体のものからユニット単位のものまで様々。
職員全員が同じ方向を向いて仕事をするために、意見をまとめたり情報を共有していきます。
まとめ
ざっと上げましたが、こんな感じで介護施設の1日は流れていきます。
動いている時間が長いし、暇な時間がないので、1日があっという間に終わりますよ。
文章にすると長くなってしまいますが、施設生活は同じことの繰り返しですので慣れれば難しくはないと思います。
施設生活の中に介護士がうまくなじんでいけるかが大切ではないかと僕は思います。
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