
「会議がうまくいかない…」と感じた、あの日のこと

みなさん、会議はうまくいってますか?
- 誰も発言しない
- リアクションが薄い
- なんとなく空気が重い…
そんなふうに感じたことはないでしょうか。
わたし自身、つい先日の会議でまさにその状況に直面しました。
事前にレジュメを作り、「ここに意見を書いておいてください」とお願いしていたのに、誰ひとり何も書いていない。
当日も、こちらから話を振っても反応がうすく、顔を上げない人も多い。
個人を指名すると意見を言えるので、何も考えていないわけじゃないんだろうけど…。
「うわー、全然盛り上がらないなー」と疑問を抱えたまま、会議はどこか重たい空気のまま終わってしまいました。
振り返ってみて強く思ったのは、会議は、その場の空気だけで変えられるものではないということです。
事前の準備、当日の進行、そして会議の設計そのものがうまくいっていなかった。
その責任を改めて感じました。
この記事では、そんな実体験をもとに、「意見が出ない会議」を変えるためにリーダーができる準備・進行・伝え方の工夫を紹介します。
「良い会議」と「悪い会議」の違いは?
そもそも、私たちは「良い会議」と聞いて、どんな状態をイメージするでしょうか。
少し整理してみると、次のような要素が挙げられます。
- 目的が明確で、話すべきことがはっきりしている
- 必要な情報が整理・共有されている
- 意見が出やすく、偏りがない
- 決めるべきことが決まり、次の行動が明確になる
- 時間内(できれば60分以内)に終わる
- 終わった後に「やってよかった」と思える
- 誰も発言しない/話す人が限られる
- 議論が深まらない/話がまとまらない
- 何が決まったのか不明瞭
- ダラダラと長引く
- 終わった後に「何だったんだっけ?」と思ってしまう
ちなみに私自身が普段、会議の目的として意識しているのは、主に次の2つです。
- 情報共有(伝達・確認)
- 検討・意思決定(問題解決、方向性のすり合わせ)
さらに言えば、もう1つ付け加えたいのが、
「会議を通して関係性をつくる」という視点です。
「話せた」「理解し合えた」「共通の方向性が見えた」——そういう積み重ねが、メンバー同士の信頼関係を育て、現場に前向きな空気を広げていきます。
レジュメ命──良い会議は準備で8割決まる

準備をしっかりすることで、物事がうまくいく確率はぐっと上がります。
会議も同じです。
特に大切なのは、実際の会議を頭の中でイメージしながらレジュメを作ること。
誰がどこで話すのか、どの議題で意見が欲しいのか、どれくらい時間をかけるのか。
そういった流れをあらかじめ想定しておくだけで、当日の進行はスムーズになり、参加者も発言しやすくなります。
会議前に整えておきたいポイント
- 目的を明確にする(この議題は情報共有か、検討か、意思決定か?)
- 議題を整理しておく(何を話すか、どこまで決めるか)
- 意見がほしいところはレジュメに明記する
- 司会・書記を事前に決めておく
- 会議の流れを毎回ある程度固定する
- 時間を決めておく(できれば60分以内)
伝達事項は“口頭だけ”にしない
以前ある会議に参加したとき、連絡事項を口頭で伝え、参加者がそれを書き写すという進め方をしていました。
ただ書き写すだけの時間に、私は内心「最初っから書いといてくれよ」と思っていました。
報告事項や連絡事項は、あらかじめレジュメに書いておくことで、
当日は“確認だけ”で済ませ、本当に話し合いたいテーマに時間を使えます。
レジュメは“会議の設計図”
どこで話すのか、どの議題で意見が欲しいのか、どれくらいの時間をかけるのか。
そういった情報が書かれていることで、参加者の意識が変わります。
私は、できるだけ早めにレジュメを作り、1週間前には閲覧できるようにしています。
データで共有し、意見を書き込めるようにしておき、印刷して配布するのは会議直前。
これだけでも会議の質は大きく変わりました。
冒頭のひと言で、会議の空気をつくる

会議が始まってすぐの空気感は、その場にいる人たちの「話しやすさ」に大きく影響します。
レジュメをしっかり準備していたとしても、会議が始まったときの表情や言葉のかけ方ひとつで、場が固くなってしまうこともあります。
だからこそ、会議の冒頭でひとことメッセージを伝えるだけで、場の雰囲気はやわらぎ、発言も生まれやすくなります。
冒頭で伝えておくとよいこと
- 議題ごとの目的(情報共有/検討/意思決定)
- 参加してほしい姿勢(自由に・気軽に)
- 話すことに慣れていなくても大丈夫という安心感
「今日はうまくまとめなくても大丈夫なので、思ったことを気軽に出してください」
「小さなことでも出してもらえると、ほかの人の気づきになります」
「話すのが苦手でも全然OK。“聞いて考える”だけでも立派な参加です」
空気づくりは“ふるまい”にもあらわれる
- うなずく、相づちを打つ、軽く笑う
- 「ありがとう」「いいですね」と声をかける
こうしたリアクションが、「話しても大丈夫」と思える場をつくっていきます。
「まとめすぎない」終わり方もときには大事
「今日はここで一度区切って、持ち帰って考えてみましょう」
「モヤモヤしたままでも、それが考えるきっかけになればOKです」
完璧な結論よりも、考え続ける場としての会議が、チームを前に進めてくれることもあります。
会議中の空気づくりと進め方の工夫

小グループでの対話から始める
まずは2人組で3分話す → どちらかが全体に共有
→ 声を出すハードルがぐっと下がります
アイスブレイクで、声を出す“練習”をする
「最近食べて美味しかったものは?」
「今の気分を天気で表すと?」
「最近ちょっと嬉しかったこと、ひとつ教えてください」
→ 全員が一度声を出すことで、無意識のうちに話すハードルが下がります。
「リアクションOK」の文化をつくる
「うなずいてもいいんだ」「笑ってもいいんだ」と伝えるだけで、場がやわらぎ、発言以外の“参加の形”が増えていきます。
「正解のない問い」をあえて入れる
「他のフロアで取り入れたい工夫はある?」
「最近、ちょっと迷った場面があれば共有してみてください」
考え方がにじむテーマは、信頼関係づくりにもつながります。
【まとめ】会議は「管理の場」ではなく「関係づくりの場」
会議をうまく進めるために必要なのは、特別なスキルではありません。
大切なのは、準備を丁寧にすること、空気をあたためること、そして相手を尊重する姿勢です。
情報を共有し、意見を出し合い、ときに迷いながらも一緒に考える。
そうした時間の積み重ねが、チームの信頼関係や職場の雰囲気を少しずつ変えていきます。
「意見が出ない会議」を変えたい。
そんな思いから始めた小さな工夫の積み重ねが、いつの間にか、現場全体を動かす力になるかもしれません。

会議の場を想像して、レジュメ作成をがんばろう!
この記事のコメント