僕が介護士からケアマネに転職を考えた時に、最初に悩んだのが
ってことでした。
僕は、居宅ケアマネを希望しながら施設ケアマネの選択肢も残しつつ転職活動を進めていきました。
最終的には施設ケアマネに決まりましたが、居宅ケアマネも捨てがたかったですね。
転職が決まるまでに調べたことや、ケアマネ研修の現場実習で担当になった主任ケアマネさんから教えてもらったことをまとめました。
ケアマネの仕事内容を知りたい人や、ケアマネに転職を考えている人は参考にどうぞ。
居宅ケアマネの職場と仕事内容
一般的にケアマネといってイメージされるのが居宅ケアマネだと思います。
居宅介護支援事業所に在籍して、自宅で介護サービスを受けながら生活している人のサポートをするのが居宅ケアマネの仕事です。
サポートといっても直接的に介護をするわけではありません。
っていうかケアマネはやっちゃダメ。
本人やご家族から話を聞いてニーズや問題点を明確にして、それを解決するための目標を立て、その目標が達成できるように介護サービスやその他の社会資源を結び付けてケアプランを考える。
で、サービス担当者会議を開いてケアプラン確定、そのあとは月1回モニタリングをしてその状況に合わせてプランを修正していくって感じでしょうか。
実際は本人やご家族が介護サービスを利用してより良い生活を送れるように、本人と介護サービス事業所の間に入って調整してくのが主な役割ですかね。
あと、モニタリング訪問と給付管理かな。
居宅ケアマネを転職先として考えた時に意識したいのが、居宅介護支援事業所には併設型と独立型があるということ。
ケアマネ実務研修の実習先は独立型でした。
そこで担当してくれた主任ケアマネさんは、以前併設型の居宅ケアマネをしていた経験もあったので、違いやメリット・デメリットについて聞きました。
併設型の居宅介護支援事業所のメリットとデメリット
併設型の居宅介護支援事業所は、特養や老健、病院などの施設や、訪問介護事業所やデイサービスなどの居宅サービス事業所に併設されています。
ちなみに、僕が住んでいる市町村では併設型が84%、独立型が16%の割合。
ほとんどが併設型ですね。
居宅介護支援事業所が、単独で大きな利益を上げるのは難しいと言われています。
うちの法人も特養とショートステイとデイサービスと居宅介護支援事業所が1つの建物にありましたが、居宅はいつも赤字でした。
ひとりのケアマネが担当できる件数が決まっており、それを超えると減算されちゃうからね。
そもそもそんなにたくさんの担当を持つのは難しい。
単価も介護報酬で決められてるし、介護保険外で利益を得るのも難しい。
なので、法人の方針にもよりますが、減算されない範囲内で併設のデイサービスや訪問介護事業所のサービスをどれだけ組み込むかがポイントになってくる場合があります。
つまり法人全体で利益が上がればいいって考えですね。
実習で主任ケアマネさんから「併設型で働いてた時はノルマが課されてて大変だった」と聞きました。
「デイサービスに行ったら、自分の担当の利用者さんばっかりみたいな光景でみんな顔見知りだから楽しかったよ」とも言ってましたね。
併設型の居宅介護支援事業所への転職を考える時は、どんな施設や居宅サービス事業所に併設されているのかと、法人の大きさや運営方針などを調べる必要がありそうですね。
独立型の居宅介護支援事業所のメリットとデメリット
併設型のような「しがらみ」がないので、公正公平なケアプランを作りやすいのが独立型の居宅介護支援事業所のメリットです。
その分、小さな法人が多いので大きな利益が上げにくいのがデメリットでしょうか。
つまり給料などの待遇がいまいちな事業所が多い可能性があるってことです。
また、初めて居宅ケアマネをする場合は在籍しているケアマネの人数も検討材料にしたいです。
人数が少ないと人間関係が固定化されやすく、受けられるアドバイスも限定されやすいですからね。
出来れば最初は人数がなるべく多くてイロイロなサポートを受けやすい環境が理想ではあります。
施設ケアマネの職場と仕事内容
ケアプランに関する基本的な業務内容は、居宅ケアマネと同じです。
ただ、ケアプランのサービス内容が施設内で完結していることが多く(ケアマネの力量しだいですが…)、外部との連絡・調整は少ないです。
施設の方針によりますが、施設ケアマネは相談員や現場の介護士を兼務することがあります。
少し古い資料(平成24年)ですが、
特養では60%の施設ケアマネが兼任で働いている。どの職種と兼任かというと、60%が生活相談員、残りの40%が介護士。
参考:特別養護老人ホームにおける介護支援専門員の状況と望まれる配置・方向性(桝田構成員提出資料)
となっています。
施設ケアマネの求人には仕事内容が詳しく書かれていないことが多いです。
転職して後悔しないように、面接などで働き方をしっかりと確認しましょう。
施設ケアマネの働き方や役割りは僕も悩んでいて、今の考えを「施設ケアマネの役割や仕事内容を考える」にまとめていますのでよろしければご覧ください。
有料老人ホームは、ちょっと注意が必要かもしれません。
「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」と3つのタイプに分けられるからです。
介護付き有料老人ホームに勤務することになれば施設ケアマネのような業務を、そして住宅型や健康型有料老人ホームに勤務することになれば居宅ケアマネのような業務をすることになります。
居宅ケアマネと施設ケアマネの違い
居宅ケアマネと施設ケアマネの一番大きな違いは、ケアプランを作成するにあたって調整する相手です。
居宅ケアマネは、本人やご家族、デイサービスや訪問介護事業所などの外部の介護サービス事業者が中心。
施設ケアマネは、本人、施設内部の介護士や看護師、相談員などが中心になります。
どちらにせよ人間関係が重要になってきますね。
給料は、居宅と施設で大きな違いはないように感じました。
待遇を考えるなら法人の大きさや運営方針の方が重要だと思います。
あとは、当然ですが法人内での異動の方が給料は高いです。
勤続年数による昇給が継続されることが多いですからね。
他の法人に異動になると、どれだけ今までの経験を給料に反映させられるかで変わってきます。
ここは交渉が必要になってきますね。
どちらが業務内容が大変かは、人それぞれです。
居宅ケアマネは自宅での生活をどう支えていくか、施設ケアマネは施設での生活をどう支えていくか。
居宅の方が使えるサービスの幅が広く、より利用者さんの生活に深くかかわることになります。
自由度が高い分、楽しさも大変さもあります。
施設では生活環境は整っているけど制約が多く、限られた条件の中でどれだけのことが出来るかが腕の見せ所。
人間関係も居宅よりは狭いので、上手くいけばいいですがダメだった時の逃げ場は少ないですね。
将来どのような働き方をしたいのかを考えて選ぼう
僕は、今までの経験を活かしたいと考えて施設ケアマネを選びました。
正直、完全な未経験になる居宅ケアマネはハードルが高かったですね。
ただ、将来の選択肢を増やす考えならココが頑張りどころだったかもしれません。
施設の介護士から居宅ケアマネに転職する人もたくさんいますからね。
その辺、詳しくは「6年半働いた特養の介護士を辞めて施設ケアマネに転職した理由」に書いていますのでよろしければご覧ください。
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