うちの施設では、介護福祉士の資格取得のために勉強している実習生を受け入れています。
正直言って現場としては負担大です!
実習生のために、ひとつひとつのケアについていちいち説明をしなきゃいけないし、実習生でも出来そうな仕事を考えてやってもらったり、研修担当者のコメントを書かなきゃいけなかったりでもう大変。
いつもなら定時に終わる仕事が終わらない~。
でも、普段のほほんと介護の仕事をしている僕にとっては、実習生が取り組む課題のまじめな質問に答えることはちょっと楽しかったりします。
通常業務の中で自分の介護観を話す機会はなかなかないですからね。
自分自身のケアを振り返るチャンスだとポジティブにとらえて、真剣に考えて答えるようにしています。
で、今回のテーマは「多職種連携」でした。
介護業務と多職種連携
介護の仕事は、介護士だけで完結することはまずありえません。
他の職種である看護師や相談員、管理栄養士、機能訓練士などが協力しあってご利用者さんの生活をお手伝いしています。
様々な職種が上手に連携していけるかどうかが、良い介護を提供できるポイントですね。
情報発信の起点となりやすい介護士
ご利用者さんといちばん長い時間接するのが介護士、これは紛れもない事実ですよね。
だから、ご利用者さんの変化にいち早く気づくことができるし、気づくことが出来るかどうかが介護士としての能力です。
まずは違いの分かる男(女)を目指しましょう!
そして、ご利用者さんの変化に気づいたら、情報発信です。
せっかく得た情報を心にしまっておいては良いケアにつながりません。
それがささいな情報であってもこまめに発信していくことが大切です。
介護士にとってのささいな情報は、看護師や相談員にとって重大な情報かもしれないからですね。
多職種連携で大切なこと
介護士が変化に気づくようになること、そしてその気付きを情報発信していくことが介護施設での多職種連携の第一歩である、と実習生にお話しした上で、「多職種連携で大切なことは何ですか?」という質問に僕はこう答えました。
「情報を素早く正確に伝えること。」
情報は鮮度が重要です。
その情報によって対応が変わってくるからです。
例えば、
顔が赤くなっているご利用者さんを介護士が発見した→検温したら36.8℃だった。体を触ってみたらちょっと熱い気がする。
すぐ報告したらまだ病院がやっている時間だったので受診できたかもしれない。
とりあえず様子を見ていたら、さらに体温が上がっちゃったけどもう病院はやっていない時間になっちゃった。
病院へ受診することが全ての答えではありませんが、速く情報を伝えたことによって選択肢が広がるということが重要です。
連携して対応を決めた場合、よりよい対応を導きやすいし責任も分散されます。
僕が意識している多職種連携のコツ
実習生には「これは日誌に書かなくていいから。」と前振りした上で、自分が日頃から多職種連携について意識していることをお話ししました。
それは「雑談でいいんだよね。」です。
多職種連携なんて堅苦しい言葉はお勉強の時だけにして、単純にコミュニケーションの問題なんだよね。
普段の業務の中でどれだけ円滑にコミュニケーションが取れているかが大切だと僕は思います。
ご利用者さんのことにかかわらず、プライベートなことも結構話します。
結局人と人との関係で仕事してるんだからさ、自分のことをいろいろ知ってもらって理解してもらうことが大事なんだよね。
そのために一番手っ取り早いのが雑談ってことです。
この辺女性の方がやっぱり上手だよね。
僕はとても苦手です。
日頃からささいなコミュニケーションを積み重ねることで、平たく言えば仲良くなること。
これは介護士どおしの連携にもいえることですね。
まとめ
多職種連携のコツは「介護職が変化に気づく能力を身に付けること」「変化に気づいて得た情報を素早く正確に伝えること」「情報を伝えやすい環境を作っていくこと」です。
そのためには、積極的に情報発信していくことが介護士の仕事だと思います。
僕はけっこうざっくりとした情報でも伝えるようにしています。
例えば「○○さん最近なんかちょっと変なんですよね。」とかね。
分析すると、何となく元気がない、目に力がない、姿勢が崩れる、立位保持できる時間が減ってきた、おしゃべりが少なくなってきた、だったりするんですが。
すぐに対応が必要のないものでも何かの予兆かもしれないですからね。
まだ僕は経験が足らないのでそんなざっくりとした情報で勘弁してもらっています(笑)
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