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『「待機老人」大都市で増加』は解決できるのか

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介護施設に入れず順番待ちをしている待機老人の問題は、定期的に話題にあがりますね。
2014年10月20日の日経新聞朝刊に『「待機老人」大都市で増加 「特養入れず」12万人』と記事になっていました。

特養の待機者は都市部で顕著に増加している

【記事概要】

特養の待機者が増えている
・特に都市部で顕著
・2015年にはその割合がさらに増加する予想

政令市と東京都の高齢化は今後も進行する
よくある、高齢化に伴う施設介護サービスの不足を憂う記事ですね。

特養の待機者の増加は当然の流れ

施設に入所して介護サービスを受ける特別養護老人ホーム(特養)。
公的サービスである特養は、利用者が払う費用の点で圧倒的に優遇されています。
特養は、民間企業が運営しているような有料老人ホームに比べてめっちゃ安い金額で良いサービスが受けられます。

【参考】介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の1ヶ月の支払額の目安
○要介護5の人が多床室を利用した場合
施設サービス費の1割 約28,000円
居住費 約10,000円(320円/日)
食費 約42,000円(1,380円/日)
日常生活費 約10,000円(施設により設定されます。)
合計 約90,000円
サービスにかかる利用料 | 厚生労働省

【参考】介護付有料老人ホームへの月々の支払額の目安
○要介護5の人が介護付有料老人ホームを利用した場合
介護付有料老人ホームサービス費 27,176円
サービス加算 1,567円
居住費 120,000円
食費 73,500円
その他費用 69,000円
合計 291,243円
介護付有料老人ホームの費用・料金 | HOME’S介護

だから特養に入りたくても入れない人が増える。
当たり前の話です。

都市部はお金がかかる

新しく特養を立てようにも、都市部ではその土地を取得するのが難しいです。
施設を建てる土地を取得できても高額になってしまうためなかなか施設を増やすことが出来ません。

また、人材の面でも苦労します。
都市部では地方に比べると仕事が多くあり、待遇が良くないとされている介護職を集めるのが難しい。
だから都市部ほど特養を運営してくのが大変であるといえます。

まとめ:解決方法はあるのか

まずは、金銭面で特養が圧倒的に優遇されている現状を変えなければ「待機老人」は減らないでしょう。
例えば、在宅での訪問介護が手厚くそして格安で受けられるならば、施設ではなく在宅で介護を受けようという人が増えていくのではないでしょうか。

その点を考えると、2015年度の介護報酬改定がひとつのチャンスではあるのでしょうが、残念ながら急激な変化はあり得ないんでしょうね。

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この記事を書いた人

●ユニット型特養12年目
●課長(特養、ショート、デイ、居宅、包括)
●元ユニットリーダー、施設ケアマネ
●介護認定審査員、介護福祉士実習指導者、技能実習指導員
●介護福祉士、介護支援専門員

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