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介護離職ゼロを実現するには介護スタッフの待遇改善が不可欠

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安倍晋三首相が掲げた「一億総活躍社会」。
それを実現するための緊急対策が決まったと、2015年11月26日の日経新聞朝刊にトップ記事で載っていました。

保育・介護施設を100万人分増 仕事と両立支援 一億総活躍で政府緊急対策 最低賃金、年3%上げ1000円に/2015年11月26日 日経新聞朝刊

「一億総活躍社会」を実現するための大きな柱として「新3本の矢」があり、「出生率1.8の実現」「GDP600兆円」「介護離職ゼロ」となっています。
それぞれの項目で対策が下の表に示されていますが、『介護離職ゼロ』への対策は事前に出ていた情報とほぼ同じでしたね。
一億総活躍社会の対策

・介護の受け皿を50万人分拡充し、待機高齢者を解消
・介護休業の分割取得を可能に。休業中の給付金も引き上げ
・介護事業者向けに都市部の国有地の賃料を軽減。施設整備の規制も緩和
・再就職支援などで介護士不足を解消

この対策が介護職員にとってどんな影響があるのか考えましたので、よろしければ下の記事をご覧ください。

【参考】介護職員にとってメリットとなるのか?新3本の矢「介護離職ゼロ」

この対策では「介護離職ゼロ」の実現は難しいと思うのですが、その理由を書いていきます。

介護士の人手不足を解消せずに建物だけ作っても無駄

介護士の人手不足は常々言われていますが、日本の景気回復と共に状況は年々悪化しています。
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介護事業は収入の上限が決まりやすく人件費の割合も多いので、給料を上げにくい業態です。
また、収入の元となる介護報酬も国が決めているため大きな利益を上げにくいということもあります。
2015年4月の介護報酬改定では、介護士の給料アップにつながる処遇改善手当の増額が実施されましたが、これも根本的な解決にはなっていません。

【参考】景気がいいと介護事業は赤字になる?「介護業者の経営破たんが最多ペース」な理由
【参考】ついに決定!介護職員の給料12,000円アップ、介護報酬は2.27%ダウン。これで給料は上がるのか

そのような人手不足の中で、まずは受け皿となる特養を増やそうという対策が大きく取り上げられるのは、理解できません。
しかも、介護施設を増やそうとしているのは都市部です。
都市部では地方よりも高い給料を払わなければ人材は集まらないですからね。
さらに人手不足が深刻化するだけではないかと考えられます。

介護施設だけ作っても、そこでサービスを提供する人がいなければ意味がありません。
実際に、僕が働く施設でも人手不足が原因で部屋は空いているのに利用者が受け入れられないといった時期がありましたからね。

介護の人材確保について思い切った対策を打ち出して取り組むべきではないかと思います。

まとめ

「介護離職ゼロ」を実現するには、介護の担い手である介護職員を大幅に増やさなければいけません。
介護職員を増やすには介護職員の待遇改善が必要不可欠ですが、賃金改善策は来春まとめる「1億総活躍プラン」以降に先送りされました。

「介護離職ゼロ」の対策として「介護職員の待遇改善」が一番最初にあがらない限りは、「介護離職ゼロ」の実現は難しいと思いますね。

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この記事を書いた人

●ユニット型特養12年目
●課長(特養、ショート、デイ、居宅、包括)
●元ユニットリーダー、施設ケアマネ
●介護認定審査員、介護福祉士実習指導者、技能実習指導員
●介護福祉士、介護支援専門員

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