「 #介護士辞めたの私だ 」から考える、介護士を辞めたくなる3つの理由

話題になっている匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね!!!」に関連して、Twitterで「#保育士辞めたの私だ」と保育士の待遇改善を求める主張も投稿されています。

そこからさらに派生したのが「#介護士辞めたの私だ」というハッシュタグ。

この「#介護士辞めたの私だ」で、介護士による介護現場のリアルな声が次々にあがっています。

それをまとめたのがこちらの記事ですね。

介護サービス利用者から暴行を受けた傷の画像など、センセーショナルな投稿がならんでいます。
僕は特別養護老人ホーム(特養)で介護士として日々の仕事をしていますので共感できる部分も多かったですが、ちょっとモヤモヤする気持ちもありました。

介護の仕事のイメージを悪化させるだけで、デメリットの方が大きいと感じてしまったんですよね。

ということで、せっかく介護士が辞めたくなる理由がたくさん上がっているので、少しでもポジティブになれるように僕なりの経験も踏まえて解決策を考えてみたいと思います。

介護士を辞めたくなる3つの理由(原因)

ツイッターの投稿を見ると、それとこれとは別問題じゃね?ってことが結構あって、まずは介護士を辞めたくなる理由を整理してみますね。
介護士を辞めた(辞めたい)理由を以下のように分類しました。

  • 介護サービス利用者からの暴力、暴言
  • 介護事業者が労働基準法を違反している
  • こんなに大変な仕事なのに給料が安い
  • その他

といった感じです。

僕が感じている介護の大変さとはだいぶ違うんですよね。
恵まれた職場環境で介護の仕事が出来ているのかもしれません。

介護サービス利用者からの暴力、暴言


ご利用者さんからの暴言、暴力っていうのは、大なり小なりありますね。
僕も病院に受診が必要なほどの怪我というのはありませんが、つねられたりひっかかれたりして軽い出血がある傷をつけられたことが何度かあります。

暴言や暴力行為は、主に認知症の症状によるところが大きいので、全ての暴言や暴力をなくすことは出来ません。
ただ、認知症についてしっかりと勉強すれば対応の仕方などで軽減は出来ることがあります。

また、医師や看護師と相談して適切な薬を使用したり生活環境を整えたりすることも大切ですね。

ネットなどの情報だと暴力されたという一面しかわかりませんが、暴力に至るまでには色々な要因が関わってくるんですよね。

介護=高齢者から暴力されると安易に伝えられるのは、個人的には不本意ですね。
やれることちゃんとやったのかなと思います。
まあ、どうしようもない状況もあるんですが。

認知症の症状は千差万別なのでコレといった解決方法は言えないのですが、基本的な考えとしてその場でどういう対応をするかはあまり重要じゃないってことですね。
ザックリですが、普段からマメに声を掛けたり親切にしたりして自分に対して良いイメージを持ってもらうこと。
それから症状が出来るだけでないように、穏やかに過ごしてもらえるようにもっていくって感じでしょうか。

その場の対応としては、

暴力行為だったらよける
暴言は聞き流す

がベストだと思います。
それができりゃ苦労しないよって声も聞こえてきそうですけどね。
僕はそうしています。

様々な症状がある認知症。 その認知症の症状を薬物に頼るのではなく関わり方を変えることによって改善していこう。という趣旨の本を読みました...

介護事業者が労働基準法を違反している

【労災申請できない職場】


介護中に怪我をさせられたなど業務中に起きた事故は労働災害ですので、申請をして保険給付が受けられると法律で決まっています。
事業主は、労災を防止するため、労働安全衛生法に基づく安全衛生管理責任を果たさなければなりません。

参考 労働災害が発生したとき/厚生労働省

僕が勤務する施設でも年間で1~2件ほどの労災が起きてしまっています。
原因はご利用者さんからの暴力や移乗介助による腰痛です。
因果関係がはっきりしていれば、問題なく申請することができています。

【サービス残業】

労災の申請が出来ないこともサービス残業が常態化していることも、労働者が泣き寝入りしているのが現状だと思います。
どちらも労働基準監督署に報告することで改善される可能性がありますが、ちょっと敷居が高いですよね。

参考 労災申請に会社が協力しない場合に労働者が採るべき措置/ロア・ユナイテッド法律事務所
参考 サービス残業を無くすために労働者ができる2つのこと/労働問題弁護士ナビ

結局、介護士ができることといったら転職ぐらいしかないのかもしれませんね。

介護業界でより良い給料や待遇を得るために転職したい人にオススメなのが介護専門の転職サイトです。転職サイトを活用して理想の職場を見つけましょう!

こんなに大変なのに給料が安い

介護士はこんな大変な仕事。
なのに給料が安いことが度々話題にあがります。

2015年の月給(税引き前)で比較すると、全産業の平均が33万3300円なのに対して、福祉施設で働く介護職員は22万3500円、訪問介護などのヘルパーは22万5100円となっています。
給与水準は他産業に比べて月平均10万円ほど低いのが現状です。

政府は、介護士の給料をアップするために2015年4月から処遇改善手当を12,000円増額しましたが、それが介護士の年収アップにつながるかは微妙なところです。

3年ごとに改定される介護報酬ですが、2015年度は改定年にあたります。 高齢化にともない増大する社会保障費の抑制のために、介護報酬の2...


この介護士の低賃金の問題を考える時に大事なことは、「無い袖は振れない」ってことなんですよね。
介護士の給料を上げろと言うけれど、その財源はどうしたら良いのか考えてるのかなって思うんですよ。

介護サービスを利用した時、利用者から介護事業者に支払われるお金(介護報酬)のほとんどは税金と介護保険料から支払われます。
自己負担は1割の人が多いです。

誤解を恐れずにざっくり説明すると、介護士の給料を上げるには税金がかかるということです。

それを国民の皆さんは理解してくれるんでしょうか?
極端な例を上げれば介護士の給料を上げるために消費税を5%アップしますよとか受け入れてくれるのかしら。
ただでさえ、これから20数年間は介護の必要な高齢者の数が増加し続けて、必要な介護士の数も当然増加しますよ。

まあ、そういうことです。
介護士をしている僕が言うのもなんですが、高齢者よりも子育て支援してほしいですね。
日本の将来を考えれば自明だと思うんです。

でも今いる人も支援しないといけない。
だから、最低限の社会保障を切り下げていくしかないという状況になっています。
先日、ニュースにもなっていましたね。

参考 介護保険、軽度者向けサービス縮小へ議論 社保審議会/朝日新聞デジタル

これも日本にお金がないから社会保障の質を下げて対応していくという対策のひとつです。

そんな状況の中、税金を使って介護士の給料を上げていくのは簡単ではありませんよね。
社会全体を見て、バランスを取りながらということになるでしょう。

ちなみに介護士をしている僕の給料はこちら↓の記事で公開していますので、興味のある方はどうぞ。
手取りで月に20万円程度いただいているので悪くない方だと思います。

2015年度も、僕が実際にもらっている給料を公開しちゃいます! 2014年度の給料については「うわっ…僕の年収、低すぎ…?介護職の給料...

また、いろいろな場所で働いている介護士の給料を調べて、その職場ごとに分けて紹介している記事もありますので合わせてご覧ください。

ひとくちに介護職と言っても、特養や老健などの施設で働いたり、デイサービスや訪問介護など様々な職場があります。 いろいろな場所で働いてい...

その他


>「介護なんて誰でもできる」
これは、半分本当で半分うそ。
介護の求人を見ると、資格を持たない未経験者の募集もたくさんあります。
というかほとんどですね。そうでもしないと人材が集まらない。
うちの施設でも未経験者を採用しています。

実際にご自宅で家族の介護をしている人はたくさんいるわけだし、そういう人はもちろん無資格ですよね。
介護の仕事は、高齢者の生活のお手伝いですから、専門的な知識がなくても出来ることが多いです。

とはいえ、当然、未経験者を雇うことの弊害も出てきます。
専門知識がないわけですから、例えば認知症の対応が上手に出来なくて介護サービス利用者からの暴力や暴言に結びついている。
それで、介護が嫌になって介護士を辞める。
で、人手不足でまた無資格の未経験者を採らざるを得ない。という悪循環にもなっています。

だから「介護なんて誰でもできる」は、半分本当で半分うそ。

僕が感じる介護という仕事の大変なこと

僕は、介護士を辞めたいと思ったことはないのですが、大変だなーと感じることは

  • 職員間の人間関係がつらい
  • 変則勤務がつらい

といったあたりでしょうか。
ご利用者さんに対するストレスよりも職員間の人間関係にまつわるストレスの方が大きいですね。

反対に、職場に恵まれているのか、給料の安さ、休みが少ない、サービス残業が多い、といったことはなくって、明確なノルマがなくて楽だと感じることも多いです。

同じように感じていらっしゃる方もいるみたいですね。

介護業界も大手企業が参入してきて、大きな収益を上げるところが出てくるかもしれません。
個人的には介護業界の転職市場が活性化することで介護士の給料が上がってほしいと思っています。

辞めたいと思った介護士のひとりひとりが行動を起こせば、少しずつ状況は良くなっていくはず。
という気持ちでこの記事を書きました。

今の自分に出来ることからひとつずつやっていきたいですね。

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この記事を書いた人
ヒデ(@marukaigo)
30代、男性
ユニット型特養で働いてる介護福祉士
介護業界6年目、ユニットリーダーやってます
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