介護療養病床の存続から読み取る、在宅介護の整備の遅れ

公的な施設介護サービスのひとつである介護療養型医療施設(療養病床)
2017年度末に全廃するとしてきた改革方針を転換し、要件を満たす病院は存続する。と2014年11月6日日経新聞朝刊でニュースになっていました。「介護療養病床、存続へ 厚労省、全廃方針を転換」「介護療養病床の存続へ報酬厚く 厚労省が提案

療養病床の役割

僕は特別養護老人ホーム(特養)で働いていますが、特養と同じ介護保険における施設サービスの「介護療養型医療施設(療養病床)」は耳慣れない言葉ですね。
「介護療養型医療施設」とは

急性期病院での急性期治療や、回復期病院でのリハビリ治療は終了しているが、心身の病気や障害により自宅で自力で生活することが困難であり、家族による在宅介護を受けることができない状況であり、在宅介護サービス事業者による介護が困難であり、在宅介護サービス事業者による介護よりも病院でのケアのほうが要介護者のQOL(quality of life=生活の質)にとって望ましく、医療療養病床よりは医療依存度が低い患者が入院する施設。
引用/wikipedia「介護サービス事業者の種類」

ということで長い文章ですがこれを簡単に説明すると、病気の一時的な治療は終わっているけどまだ医療的なケアが必要な人が生活するところですね。

ちなみに各施設(病院)での患者さんの医療依存度は、

急性期病院>回復期病院>医療療養病院>介護療養型医療施設(療養病床)>終末期病院>介護老人保健施設(老健)>介護老人福祉施設(特養)

という順です。
施設の役割としては、左側ほど医療的に、右側に行くほど生活の場となっています。
まあ特養でも十分医療的な役割は求められちゃいますけどね。

ですので、その人の医療依存度によって、どこの施設が適当かを考える必要があります。
介護療養病床は介護保険適用の施設なので、医療的治療より介護療養が必要な患者さんが入院する施設といえますね。

介護療養病床が全廃される計画になった理由

上記のように医療と介護の中間に位置する介護療養病床ですが、厚生労働省は2006年に当時あった約13万床を全廃する方針を打ち出しました。
その理由は、「社会的入院」を減らして医療・介護費を効率化するためです。

「社会的入院」とは

医療の必要性が乏しいのに家庭の事情などで自宅復帰せずに、入院生活を続けること

治療は終わっているけど、後遺症などで自宅に戻ってもその人を介護する人がいないなどで退院することが出来ない人が増えてしまったわけです。
2006年当時に厚生労働省が調査した結果、療養病床利用者の5割が医師の対応が不要で、3割が自宅や福祉施設で生活できると判定されました。
介護療養病床を全廃することによって、この自宅や福祉施設で生活できるだろう人を適切な場所で生活してもらうねらいがありました。

そうすることによって、社会保障費の医療・介護費を抑えようとしたのですね。
特に在宅介護への移行は、施設での生活に比べて社会保障費を安く抑えることが出来るのでより積極的に進めようとしていました。
在宅介護は、介護業界のマンパワー不足を主に要介護者の家族が負担するかたちになるわけですからね。

在宅介護への移行は進まず介護療養病棟全廃の方針を転換

しかし、在宅介護への移行が進まなかったことで方針転換することになったのが今回のニュースです。
介護療養病床存続の5条件

現状の訪問介護のサービスでは、在宅での生活を支えていく力として不足していることが浮き彫りになってしまった結果と言えるのではないでしょうか。
以前の記事「儲けやすい介護事業」で紹介した、在宅サービスの切り札ともいわれている「24時間巡回サービス」のような在宅介護を力強く支援できる仕組みを充実させていく必要性を感じました。
http://marukaigo.com/investigation/

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この記事を書いた人
ヒデ(@marukaigo)
30代、男性
ユニット型特養で働いてる介護福祉士
介護業界6年目、ユニットリーダーやってます
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